国内初のブルー水素・アンモニア製造設備が柏崎にオープン
新潟県柏崎市にて、株式会社INPEXが「柏崎水素パーク」と名付けられたブルー水素とブルーアンモニアの製造実証設備が、国内では初めてとなる施設として開所されました。このプロジェクトは、NEDOが支援する「燃料アンモニア利用・生産技術開発」という事業の一環で進められており、持続可能なエネルギー供給への一歩を踏み出しました。
背景
2025年2月に閣議決定された「第7次エネルギー基本計画」では、脱炭素化が求められる分野において、水素やアンモニアの利用拡大が重要視されています。特に、燃焼時に二酸化炭素を排出しないアンモニアは、電力や工業炉の燃料として期待されています。しかし、今まで水素やアンモニアは化石燃料を基に製造されていたため、製造過程で二酸化炭素が発生していました。そのため、これらの製造プロセスの脱炭素化が急務となっていたのです。
本プロジェクトを通じて、INPEXとNEDOは新たな低炭素燃料であるブルー水素とブルーアンモニアの製造を実現し、これらの技術を日本国内で初めて実証することになります。
実証試験の内容
「柏崎水素パーク」では、INPEXが所有する南長岡ガス田から東柏崎ガス田に既存のパイプラインを使用して天然ガスを輸送し、それを原材料として水素とアンモニアを製造します。このプロセスには、製造過程で発生する二酸化炭素を分離・回収し、地中に貯留する技術も含まれています。
具体的には、製造したCO2は、すでに生産を終了した東柏崎ガス田の地中貯留層に圧入されます。この手法は、CO2の排出を効果的に抑制するだけでなく、天然ガスを利用することによって初めて実現可能なプロセスです。
目指す未来
NEDOは、本事業を通じて、2030年や2040年といった近い将来だけでなく、2050年に向けたカーボンニュートラルの達成に向けた重要な役割を果たすことを目指しています。また、日本国内の燃料アンモニアサプライチェーンを構築し、この分野の更なる発展をサポートする計画です。
「柏崎水素パーク」の設立によって、これからのエネルギー供給は大きく変わる可能性があります。この新たな試みが、脱炭素社会の実現に寄与することを期待せずにはいられません。
参考ページ
今後、柏崎水素パークの進展や成果がどのように報告されるのか注目が集まります。