テンセント、新たな気候技術プログラム「CarbonX Program 2.0」を発表
2024年12月3日、テンセントは北京にて、新しい気候技術プログラム「CarbonX Program 2.0」の開始を発表しました。このプログラムの目的は、2050年までにネットゼロの世界を実現するための革新技術を世界中から集め、支援することです。第一段階では、中国を中心としたプロジェクトが成功を収めたことを受け、今回はグローバルにアプローチを広げることとなりました。
プログラムの背景
気候変動に立ち向かうためには、特に脱炭素化に必要なソリューションが求められていますが、実際に利用可能な技術の75%はまだ発展途上です。このような背景の中、テンセントは「Tech for Good」を基に、技術の拡張に向けた取り組みを促進しています。CarbonX Programは、パリ協定で掲げられた目標の達成に向けて、企業や社会全体に貢献することを目指しています。
プログラムの内容
「CarbonX Program 2.0」では、以下の四つの主要分野において革新的な技術の提案を募り、数千万ドルを投入して支援する予定です。
1.
二酸化炭素除去(CDR):大気中の過去の排出を抽出する技術。ケニアでパイロットプロジェクトが予定されています。
2.
長時間エネルギー貯蔵(LDES):再生可能エネルギーの利用を拡大するための技術。モルディブで100キロワットのプロジェクトが進行中で、6時間以上のエネルギー貯蔵が目指されています。
3.
CCUS(二酸化炭素回収・貯留):鉄鋼業界など炭素排出の大きい分野の脱炭素化を図る技術。セルビアで新世代の技術が試みられます。
4.
CarbonXmade(CCU):回収した炭素を用いて化学製品や消費者向け製品に転用するためのシームレスなバリューチェーンを目指します。
このプログラムには、中国資源、コンチセメント、グレートカーボンバレーなど多くの業界パートナーも参加しています。さらに、マクドナルド中国、ペプシコ、ユニリーバなどの消費者製品企業と協力しています。
投資とパートナーシップ
投資パートナーには、アフリカ気候ベンチャーズや中国商船ベンチャーなど多くの企業が名を連ねています。また、アフリカ開発銀行やアジア開発銀行などのエコシステムパートナーがこのプログラムを強化する形になっています。
テンセントのシニア・バイス・プレジデント、デイビス・リン氏は、気候変動に対処するためには適切な技術の迅速な導入が不可欠であり、レベルの技術を実用化する支援を行うことが重要と述べています。さらに、福祉の観点からも新しい技術を推進し、持続可能な未来の形を作り上げることに注力しています。
募集情報と参加方法
現在、2025年5月までの間に、初期段階のスタートアップ企業や学術機関から応募を受け付けています。選考は二段階に分かれており、最初の段階で10~15のチームが選出され、その後、各シナリオごとに最大3チームが最終決定されます。選出されたチームには、助成金や追加リソースが提供され、プロジェクトを進めることが可能となります。著名な専門家による評価によって、最も有望な技術が選定されます。
このプログラムは、「持続可能な社会的価値イノベーションサミット」で発表され、革新的なエコシステムの構築について意見交換が行われました。
今後の展開が期待される「CarbonX Program 2.0」。詳細は公式ウェブサイトをご覧ください。