2024年 世界のビール消費動向
キリンホールディングス株式会社が発表した2024年のビール消費量に関する調査結果は、世界でのビール市場の動向を示す重要なデータです。2024年の総消費量は約1億9,412万klで、前年比0.5%の微増を記録。これは東京ドーム約157杯分の量に相当し、引き続きビール市場の成長が見られます。
世界のビール消費の現状
世界各国のビール協会などのデータを活用した調査に基づき、170の国と地域におけるビール消費が分析されました。中国が2003年から22年連続で1位を維持しているものの、前年比3.7%減と若干の減少を示しています。日本も同様に前年比2.7%減で、11位をキープしています。この背景には、コロナ禍からの回復が十分でない影響があると考えられます。
インドが大きく成長しており、前年比14.6%増で上位界に名を連ねる勢いを見せています。また、ロシアやタイも前年を上回る消費増を果たし、ビール市場全体の動きを支えています。この結果として、日本は最近の消費動向において順位を下げる一方で、南アフリカは前年比4.5%増により710位から7位へと上昇しています。
地域別ビール消費量
2024年の地域別ビール消費量を見てみると、アジア圏は前年比1.4%減ながらも32.6%のシェアを保持し、17年連続で1位を獲得しています。しかし、これはインドの成長と対照的に、中国や日本の消費量の減少が影響しているようです。これにより、全体的な成長には陰りが見える形となりました。
また、ヨーロッパ地域も前年1.4%増という成長を記録しました。特にロシアが前年比9.0%増、イギリスも1.7%増といった成長を示しましたが、ドイツやスペインは消費量が減少しました。中南米や北米地域もそれぞれの市場状況を反映した消費量の変動が見られ、北米は減少が目立っています。
一人当たり消費量の変化
国別一人当たりのビール消費量では、チェコ共和国が32年連続で1位を独走しており、148.8Lという驚異的な数字を記録しています。上位5カ国の順位には特に変動は見られず、昨年と同様の顔ぶれです。興味深いことに、前年8位であったドイツは10位に後退し、スロベニアが8位へと昇進しました。
日本においては、1人あたりの消費量が33.7Lで56位となり、多くの国がビールから他の飲料にシフトしている兆しも見え隠れしています。この傾向が続けば、今後のビール市場にとっては厳しい道のりが予想されます。
まとめ
ビールと言えば、伝統的かつ多様な文化を持つ飲み物であり、多くの国で愛されています。キリングループが掲げる「食と健康」の新たな喜びを広げる取り組みが、消費者の日常にどう影響を与えるのかも、これからの市場動向に注目すべきポイントです。2024年におけるビール消費のデータを踏まえると、世界のビール市場は成長を続けているものの、地域ごとの動きや個別の国の消費傾向には様々なギャップが生じており、今後の戦略が求められています。