建設業界のDX推進現状調査
一般社団法人施工管理ソフトウェア産業協会(J-COMSIA)は、全国の自治体職員を対象に「建設DXと業務プロセスに関する実態調査」を行いました。この調査には209の自治体が参加し、建設業界が抱える実態や課題を明らかにしています。
調査の背景
調査は2025年11月1日から12月15日まで実施され、工事管理業務における負荷の高い工程や、図面・書類の管理方法などが注目されました。結果として、工事管理業務では「図面の作成・修正・共有」が29.2%、次いで「提出書類の作成・確認」が26.8%となり、図面や書類業務への負担が大きいことが明らかになりました。
図面と書類の管理状況
さらに、図面や設備台帳の管理方法では、「紙が正本で書庫保管」が41.6%と最も多く、紙やExcel、専用システムが混在している状況も多く見受けられました。このような管理方法では、異動時の引き継ぎや過去履歴の検索に時間がかかることも深刻な問題です。実際、回答者の55.7%が異動時の引き継ぎが困難であると回答しました。
DX施策の運用状況
一方、建設DX施策については電子納品の運用が進んでいる一方で、BIM/CIMや点群技術の導入は遅れており、関心はあるものの運用や検討を行っていない自治体が多いことがわかる結果となりました。特に、予算獲得や人材不足、施策の理解不足が大きな壁になっていることが調査から明らかになりました。
施工管理ソフトの役割
こうした背景から、施工管理ソフト市場は「業務を支援するツール」から「情報基盤」としての役割を求められています。J-COMSIAは、この変化に対応して施工管理ソフトの標準化と品質評価の透明化を進めています。今後の発展には、ツールの導入だけでなく、進め方や運用設計、標準化が重要です。
調査から読み取れる将来展望
調査結果を受けて、自治体の建設DXにおける真の課題は、複雑な構造や業務環境の改善であることが示されています。特に、図面や書類のデジタル化とその整備が急務です。J-COMSIAは、この課題解決に向けて勉強会や先進事例の共有を行い、さらなる推進支援を行っていく方針です。
総評
最終的に、自治体の建設DXは関心こそ高いものの、図面・書類・連絡の基盤が整わず、また、予算・人材・進め方の不足が響いて運用段階まで到達できない現実が浮かび上がりました。これらを乗り越えるために、基本的な業務環境の整備を進めつつ、全体としてのDX推進が重要であると言えるでしょう。
J-COMSIAは、今後も全国の自治体が直面する課題に対応するため、施工管理ソフトウェアデータベースを活用し、各自治体のニーズに合わせた導入支援を行っていきます。