竹の美しさを探求するアーティスト 濱田哲彰
2024年の冬、高知県香美市土佐山田町に位置する古民家「hako-hako」で、竹芸家・濱田哲彰の特別展示が開催されます。展示期間は12月6日から15日までの約10日間。この個展は、彼が追求する「竹の造形美」と、その背後にある環境問題への深い理解を体験できる貴重な機会です。
濱田哲彰のアートと背景
濱田は、高知県須崎市を拠点に国内外で活動し、伝統的な竹の技術を駆使して新たなアートを展開してきました。彼は、世界的に著名な竹芸家・四代田辺竹雲齋のもとで修行をし、その後独立。竹の使用を通じて、地域の竹林が直面する環境問題を訴え、作品を通してそのメッセージを発信しています。
竹雲齋が重用する虎斑竹は、高知県須崎市の特産品であり、この地方特有の竹を使った作品は、他に類を見ません。しかし、異常気象や後継者問題により、竹林が荒廃している現実を認識し、濱田は竹の環境保全にも力を入れています。彼のアートは、ただの美しさだけでなく、文化と自然の関係をも反映しています。
個展の内容
今回の個展のタイトルは「Beginning」~ no.01 ~で、前回の個展に続く形です。展示作品は竹を基にしたインスタレーションであり、異素材とのコラボレーションも含まれています。竹そのものの美しさに加え、環境問題への考察を深めることができる空間が提供されています。
さらに、濱田の創作活動の様子を捉えた写真や、竹林の香りを再現する精油なども、観客に独自の体験を提供します。竹の魅力を再発見しつつ、竹を取り巻く問題を考えるきっかけとなるでしょう。
会場について
個展の会場となる「hako-hako」は、築90年の歴史ある古民家で、風情ある漆喰壁と大きな梁が印象的な場所です。1階では、竹を用いたカトラリーや花籠など、日常使いしやすい竹製品を販売しており、来場者は作品を鑑賞するだけでなく、実用的な竹製品も手に取ることができます。
この古民家の魅力を活かした展示は、竹の背景や環境問題への理解を深めながら、観客を引き込む工夫が随所に見られます。
入場情報とメッセージ
展覧会は無料で、予約も不要となっていますが、会場での寄付を受け付けています。これにより、濱田は竹の保存活動や地域コミュニティへの貢献を行っていく予定です。個展を通して、来場者が自然との共生について考えるきっかけになることを願っています。
「人間の都合で自然が犠牲にされてしまう現代。私たちは何を考え、どのように行動すべきか」と語る濱田のメッセージは、訪れた人々の心に響くことでしょう。今回の個展は、竹という素材を通じて自然との関係を問いかける場となることを目指しています。
開催概要
- - タイトル: Yoshiaki Hamada solo exhibition「Beginning」~no.01
- - 会場: 土佐打刃物とくらしを楽しくする道具店 hako-hako
- - 住所: 高知県香美市土佐山田町東本町5-2-13
- - 会期: 2024年12月6日(金)~12月15日(日)
- - 時間: 月~木 13:00~18:00、金~日 11:00~18:00(最終日 17:00終了)*12月10日(火)休
- - 入場: 無料(寄付受付)
この機会にぜひ、濱田哲彰のアートと竹の美しさを体感してみてはいかがでしょうか?