侵略的外来種の導入と除去に関する最新動向を探る

侵略的外来種の導入と除去に関する最新動向

アスタミューゼ株式会社が発表した報告書は、ネイチャーポジティブにおける「侵略的外来種の導入・除去」に焦点を当て、最新のテクノロジー動向について詳細な分析を行っています。著者である神田知樹氏は、大学院で工学を専攻し、知見に基づいた精緻なレポートを展開します。

外来種とは？

外来種は、本来の生息地ではない地域に人間の活動によって持ち込まれた種のことを指します。これには、輸送中の貨物に紛れ込む場合や、観賞用に持ち込まれる場合などがあります。外来種の中には、生態系に大きな影響を与えるものもあり、特に侵略的外来種として知られる種は、在来種や人間に対して脅威となります。例えば、南米から輸入されたヒアリは、その攻撃性や毒性により、特に日本で注目されています。

侵略的外来種とTNFDの役割

TNFD（自然関連財務情報開示タスクフォース）は、自然資本に影響を与える様々な要因を評価する枠組みの一つで、侵略的外来種に対する取り組みもその「インパクトドライバー」の一環として位置付けられています。外来種の迅速な駆除とその侵入を防ぐことは、自然環境を守る上で必要不可欠な課題です。

技術領域における動向

アスタミューゼでは、ネイチャーポジティブな技術を狭義、広義、モニタリングの3つの領域に分けています。狭義の領域では、すでに侵入した外来種を捕獲・駆除する技術が重要視されています。これには、化学的手法や機械的手法が含まれます。

広義の領域では、外来種を持ち込まないための予防策が焦点となっています。例えば、輸入品を検疫する際の消毒技術がその一例です。さらに、モニタリング領域では、外来種と在来種の生息状況を把握するためのデータ化技術や、DNA解析などの高度な手法が用いられています。