下水道点検の新技術、浮子型ボートが効率を革命か
1. 背景と目的
日本の下水道インフラは、標準耐用年数である50年を超えた管渠が約4万kmも存在しており、将来的にはさらにその数が増加する見込みです。このような状況下で、下水道の健全性を維持するためには、適切な点検が欠かせません。特に、2025年に発生した大量の道路陥没は、下水道管路の劣化が原因とされ、より一層の点検作業が求められています。
近年では、ドローンによる大口径管路の点検が進んでいる一方、小口径管路に対しては限られた技術しか利用できませんでした。そこで、株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマークが開発した浮子型ボートによる点検が注目されているのです。
2. 実施概要
浮子型ボート(Waymark Boat)は、呉市の下水道管路の調査で実際に使用され、その性能が試されました。このボートは以下の特殊な仕様を持っています:
- - サイズ:400mm(長さ)x 200mm(幅)x 190mm(高さ)
- - 対応管径:400mm以上(それ以下のサイズも将来的には検証予定)
- - 対応流速:秒速5m以下
- - 最低水深:5cm程度
- - カメラ:800万画素の4K動画撮影に対応
このボートは、動力を持たないため軽量で、浅い水深でも安定して航行可能です。加えて、操作不要のため信号が届かない場所でも点検を行えるのが大きな特徴です。
作業手順
実施にあたっては、以下の手順を踏んで作業を行いました:
1. 上流側のマンホールからボートを流し込み、回収用の紐を取り付けて撮影をスタート。
2. 下流側のマンホールで待機している作業者がボートを回収。
3. 紐を巻き取って完了。
3. 実証結果と今後の展望
この実証試験では、浮子型ボートが転覆することなく、問題なく管路内を撮影できることが確認されました。その結果は以下の通りです:
- - 浮子型ボートによる撮影手法が確立された。
- - 従来は迅速に流れる区間で点検が不可能だったが、ボートを使用することで撮影に成功。
- - 撮影した映像は、下水道点検に役立つレベルまで達している。
- - 40~50mの区間の撮影は約10分で完了。
今後は、撮影した映像から距離を測定する方法を確立し、作業員がマンホールに入ることなく撮影する手法の検証を行います。これにより、安全かつ効率的な下水道点検の実現を目指します。実際の映像確認も行われており、工程がスムーズに進んでいることも嬉しい報告です。
このような新技術の登場により、下水道管点検の効率が大幅に向上することが期待されています。