シンガポール初のFSRU事業と商船三井の取り組み
株式会社商船三井は、シンガポールのジュロン港で操業予定の新しいFSRU(Floating Storage and Regasification Unit)について、2025年12月22日付でプロジェクトファイナンス契約を締結したことを発表しました。この契約は、株式会社国際協力銀行(JBIC)やフィナンシャルインスティテューションである三菱UFJ銀行、DBS Bank、Oversea-Chinese Banking Corporation、Standard Chartered Bank(Singapore)など、複数の銀行とともに築かれたものです。
このプロジェクトは、シンガポールにおいて初めてのFSRU導入を果たすもので、同国が約95%の発電量を輸入天然ガスに依存している現状を考えると、今後の電力インフラの基盤として非常に重要な役割を果たすことが期待されています。FSRUは、洋上でLNGを受け取って貯蔵し、その後陸上へ送ることができる浮体式の設備であり、コストや工期を短縮できる点が大きなメリットです。
プロジェクトの意義
商船三井は、このFSRUプロジェクトによってお客様がより多様なLNG調達を実現し、供給の安定性を確保できるよう支援することをミッションとしていると述べています。また、この契約締結は日本企業のアジア地域への事業展開を促進するJBICの理念と一致しており、エネルギートランジションの進展及び脱炭素化に貢献する取組みとして評価されています。
このプロジェクトは、地域の持続的成長を支えるだけでなく、公共性の高いエネルギーインフラを国際協力の枠組みで整備する象徴的な事業ともなります。商船三井グループは、海運業を中心に様々な事業を展開し、環境問題や社会の多様なニーズに応えるために技術とサービスの進化を目指しています。
経営計画とグループビジョン
商船三井は、経営計画「BLUE ACTION 2035」において、海洋事業や非海運事業の拡大を掲げています。このプロジェクトは「商船三井グループ 環境ビジョン2.2」の戦略に基づいた低・脱炭素事業の重要な一環でもあり、同社のグループビジョンにしっかりと貢献します。加えて、商船三井は、人や社会、地球の持続可能な発展に寄与し、青い海から豊かな未来を創造することを目指しています。
このように、シンガポールにおける初のFSRUプロジェクトは短期的な経済効果のみならず、長期的なエネルギー安定供給と環境保全という二重の利益をもたらすことが期待されるのです。
参考情報
詳しくは2024年10月23日付のプレスリリース「シンガポール初のFSRU長期定期用船契約を締結~同国のエネルギー安定供給に貢献~」をご覧ください。