サラヤが海の生態系保全に向けた新プロジェクトを開始
サラヤ株式会社(本社:大阪)の社長、
更家悠介氏が指揮をとるこの新プロジェクト「海の森を守るプロジェクト」は、北海道の函館市で始まった。その目的は、海の持続的な利用を目指し、特に海の森である昆布藻場を保全することにある。近年、さまざまな要因で海藻群落が減少しており、それによって生態系にも影響が及んでいる。特に海水温の上昇や栄養分不足、異常気象の増加がその要因とされている。
海藻の減少と海の砂漠化
全国的に見ると、海藻が消失する「海の砂漠化」が進行しており、特に北海道の沿岸部では昆布の藻場が減少傾向にある。この現象は生物多様性にとって大きな問題であり、昆布は海中の生物にとって隠れ家や産卵の場として重要な役割を果たしている。また、昆布藻場は二酸化炭素を吸収する能力も持ち、海洋の気候変動にも寄与している。
プロジェクトの具体的な取り組み
サラヤはこの問題に対処するため、以下の2つの具体的な取り組みを行う。
1. 養殖藻場の創出
消失した藻場の再生に向けて、天然藻場の保全と新たな
ブルーカーボンの創出を目指している。これは環境保護を進めながら、養殖藻場での藻の育成を支えるための研究開発とも関連している。高水温に適した種苗の開発も進められ、この新しい養殖藻場が、再生の一助となることが期待されている。
2. 生物多様性の保全
生態系のバランスの崩れがウニの増加を招き、海藻の減少を助長していることが分かっている。そのため、昆布の養殖場近くにウニを適切に管理して移植し、昆布に対する食害を防ぐ取り組みが行われる。これにより、天然藻場の保全と生物多様性の向上を図っていく。
参加商品の紹介
このプロジェクトの資金源として、特定商品の売上の一部が活用される。たとえば、
ココパームオーシャンエッセンスは、地球環境に配慮したヘアケア製品として販売されており、養殖昆布エキスを配合することで地肌と髪に潤いを与える。また、ホテルアメニティシリーズも環境に優しい素材から作られており、プロジェクトの一環として位置づけられている。
サラヤについて
サラヤ株式会社は1952年に設立され、衛生、環境、健康の3つのコンセプトを基に事業を展開している。一般家庭用商品からプロ向けの製品まで、さまざまな洗浄・消毒剤や食品群を開発しており、持続可能な社会を目指している。自社で展開している
ヤシノミ洗剤や
アラウ.ベビーなどは、環境への配慮からも高く評価されている。また、プロジェクトを通じて、さらなる生態系の保全につながることが期待されている。