能美市の新たな公共ライドシェア「ノルノミ」とは
石川県能美市は、地域の課題解決を目指し新たな公共ライドシェア「ノルノミ」を導入します。このサービスは、地域住民の移動手段を支援するもので、特に高齢者の運転免許返納や、公共交通機関の運転手不足が深刻化している中で重要な役割を果たすことが期待されています。
「ノルノミ」は、株式会社博報堂が提供するマイカー乗り合い公共交通サービス「ノッカル」のシステムを活用して展開されます。「ノッカル」は、地域住民同士が助け合う共助型のMaaS(Mobility as a Service)事業であり、住民が自家用車を使って他の住民を送迎する仕組みを持っています。これにより、地域交通の利便性を高め、生活必需の移動手段を充実させる狙いがあります。
「ノルノミ」の実施背景
能美市は、市内の高齢化が進んでおり、免許を返納する人が増加しています。そのため、日常生活に欠かせない移動手段が不足しているという問題が顕在化しています。また、バスやタクシーの運転手不足も影響を及ぼし、特に買い物や通院のためのアクセスに困っている高齢者が多いのが現状です。
「ノルノミ」は、地域住民の自家用車を利用し、特に高齢化が進んでいる市内のエリアで運行されます。このシステムは、地域のコミュニティバス「のみバス」を補完する形で、新たな移動サービスとして機能します。
サービスの利用方法
「ノルノミ」では、会員登録が必要です。LINEアプリまたは電話で事前に登録することで、サービスを利用することができます。予約は、利用予定日の前日17時まで受け付けており、乗車する際は、予定時刻の5分前までに所定の場所で待機する必要があります。利用料金は、のみバスの回数券を使用する形で、100円×5枚の500円で設定されています。現金は受け付けていないため、事前に回数券を購入する必要があります。回数券は、のみバス車内や各種サービスセンターで購入可能です。
地域連携と今後の展望
博報堂は、単なるサービス提供にとどまらず、地域住民の生活支援を通じて、地域全体の社会課題の解決に向けた取り組みを進めていきます。今後も、ノッカルのシステムを活用し、自治体と連携を図りながら、地域交通の課題解決に向けたレベルアップを目指します。
「ノルノミ」と「ノッカル」は、今までの公共交通では実現が難しかった地域住民同士の助け合いを基盤とした新たな試みです。この取り組みが成功することで、能美市の高齢化問題や交通不便の解消へ大きく貢献することが期待されています。今後の展開にご注目ください。