SMNが提供する新たな広告技術で「OTAKAD」が進化
東京都品川区に本社を持つSMN株式会社は、デジタルマーケティングの分野で注目される技術を講談社が運営する広告サービス「OTAKAD」へ提供し始めたことを発表しました。この技術提供は、自社の保有する1st Party Dataを活用し、広告キャンペーンの効果を一層高めることを目的としています。
「OTAKAD」とは?
「OTAKAD」は、講談社が運営するオンラインメディアのユーザーデータを基にした広告配信サービスです。複数のWebメディアから集められた記事の閲覧データを解析し、ユーザーの興味や関心をリアルタイムで特定することが可能です。この手法により、消費者に最も関連性の高い広告をタイムリーに届けることができるのです。さらに、ユーザーの「熱狂度」や「理解深度」、「頻度」をもとに、広告の配信内容を最適化します。
また、広告だけでなく、レポートサービスやクリエイティブ制作サービスも提供しており、広告運用を包括的にサポートしています。
背景と新しい取り組み
近年、プライバシー保護が重要視される中、業界では3rd Party Cookieの利用規制が進んでいます。これに伴い、広告配信プラットフォームは新たな技術を開発し、変化に対応する必要がある状況です。
SMNは、ソニーグループの持つ技術力を基に、デジタル広告配信プラットフォーム「Logicad」を2012年から提供しています。その中で、3rd Party Cookieに依存しない新たな技術の検証・開発に取り組み続けてきました。そして今回、講談社の「OTAKAD」に、その技術力を活かすことが実現したのです。
具体的には、3rd Party Cookie規制に対応するため、共通IDソリューション「IM-UID」を活用した広告配信が可能となりました。これにより、特にiOSデバイスにおいてもユーザーのプライバシーに配慮しながら広告を配信することが実現します。
共通IDソリューション「IM-UID」の活用
「IM-UID」は、インティメート・マージャーが提供するソリューションで、3rd Party Cookieを使用せずにユーザーを識別できます。これは、暗号化されたIDを利用しつつ個人情報に配慮した形で、ターゲット広告を可能にします。この技術を活用することで、これまで難しかったユーザーへの接触が期待されます。
今後の展望
SMNが講談社に提供した技術は、3rd Party Cookieを使用しない広告配信を可能にしました。今後も、段階的に進化する市場環境に合わせた技術のアップデートを行い、「OTAKAD」の広告効果の向上に貢献していく方針です。
さらに、両社の強みを融合させ、独自性のあるマーケティングサービスを生み出していく計画も進められています。これによって、講談社が目指すコンテンツ型広告の市場化を支援し、広告業界に新たな風を吹き込むことを目指しています。
SMN株式会社は、2000年に設立され、マーケティングテクノロジーの分野で高い評価を受けている企業です。DSP「Logicad」をはじめ、複数の広告配信サービスを展開中で、テクノロジーを駆使した広告運用が注目されています。今後の展開に期待が寄せられます。