平和を3Dで再現
2022-03-08 13:00:05
デジタル技術で蘇る平和記念公園の未来と学び
広島平和記念公園の新たな取り組み
広島市にある平和記念公園は、原子爆弾の投下から76年が経過した現在、その歴史的価値を次世代に伝えるため、次世代デジタル技術を取り入れる試みを続けています。特に注目を集めているのが、デジタル3Dコンテンツの導入です。この取り組み事業では、デジタルツイン技術を使って、平和関連施設の3Dモデルを作成し、訪問者がより深く平和について学べる環境を提供しています。
1. 3Dモデリングによる平和の可視化
最先端のIT企業であるMatterport(マーターポート)社の技術を使用して、広島の平和記念資料館や他の関連施設が高精度にスキャンされ、リアルな3D表示が可能になりました。この技術によって、ユーザーは4K画質でのウォークスルーが体験でき、被爆ピアノの歴史的な演奏を視聴することもできます。特に、このピアノにまつわる物語や過去の演奏は、単なる情報伝達ではなく、感情に訴える体験に昇華させています。
2. 360°空撮とAR技術の融合
また、平和記念公園では、特殊なドローンによる360°の空撮を行い、その映像をMatterportのデジタルツインと組み合わせた新たなポータルサイトを構築しました。このサイトは、空からの視覚提供だけでなく、ユーザーが自由に各施設を選び、詳細な情報や3D体験を楽しむことができるインタラクティブなコンテンツです。さらに、AR(拡張現実)技術と連携することで、戦前の賑やかな街の様子を目の前に再現し、訪問者は実際にその時代を体験しているかのような感覚を味わうことができます。
3. 室内空調解析シミュレーションでの挑戦
今回の取り組みでは、健康と安全を重視し、Matterportのデジタルデータをもとに室内の換気環境を可視化する室内空調解析シミュレーションも実施されました。これにより、感染対策を強化し、安全に観光を受け入れる体制を構築しています。このアプローチは、広島が安全な観光地であることを示す重要な要素となります。
4. 平和学習ツアーとの連携
さらにこのデジタル3D体験は、修学旅行生や観光客向けの平和学習ツアーとも連携しており、スティーブン・リーパー氏が監修したガイドによる日本語及び英語の音声案内が提供されます。これにより、単なる観光だけでなく、平和学習の一環として実際に体験し、理解を深めることができます。
まとめ
広島平和記念公園における最新のデジタル化は、現代社会における平和の大切さを学ぶ機会をより身近に、より深く提供するものです。この取り組みを通して、未来の世代に何を伝えることができるのか、目が離せない状況が続いています。デジタル技術を駆使した平和のメッセージが、世界中の人々に届くことを願っています。
会社情報
- 会社名
-
広島テレビ放送株式会社
- 住所
- 広島県広島市東区二葉の里3丁目5番4号広島テレビ放送株式会社
- 電話番号
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082-207-0404