三菱重工、東京都下水道局から汚泥焼却設備の受注
三菱重工業グループの三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社(MHIEC)は、東京都下水道局より「南部スラッジプラント」における汚泥焼却設備の再構築工事を受注しました。このプロジェクトは、老朽化した既存の汚泥焼却設備を代替するもので、同社が手がけるエネルギー供給型の焼却炉として初めての試みです。
高効率な焼却炉の特長
MHIECが提案する新型焼却炉は、汚泥焼却によって発生する廃熱を利用して、高効率のバイナリー発電装置を稼働させることが可能です。この技術により、焼却炉自身の消費電力量を超える電力を発生させることが期待されており、温室効果ガスの排出量も大幅に削減される見込みです。
この新焼却炉の建設費用は64億1000万円(税抜)であり、2030年3月までに完成が予定されています。これは下水道局との共同研究の成果であり、最適燃焼制御を備えた流動床式焼却炉と高効率バイナリー発電装置の組み合わせによって、全ての研究開発目標を達成したことが評価されての受注です。
環境への貢献
このプロジェクトは、単に汚泥処理技術の向上に留まらず、燃料由来の温室効果ガスを削減し、余剰電力を下水処理施設に供給することで、全体のエネルギー効率を高める貢献が期待されています。MHIECは、汚泥焼却設備を通じて省エネや温暖化抑制策を推進し、今後も受注の拡大を図っていく方針です。
三菱重工の強み
MHIECは、2006年に三菱重工の汚泥処理分野での豊富な技術開発力を継承し、数多くの実績を持つ企業です。建設から運営までを一貫して行うことができる総合的なソリューション提案力が強みであり、下水道局との信頼関係を基にした新たな施策が展開されることに、大きな期待が寄せられています。
この初号設備の導入を機に、MHIECは汚泥焼却設備のあり方を刷新し、持続可能な社会に向けた取り組みを加速させていくことでしょう。
参考情報