Each DreaMが開発した燃えないFRP素材が未来を変える！

未来を守る、燃えないFRP素材の登場

名古屋を拠点とするEach DreaM株式会社が、世界初の燃えないFRP（強化プラスチック）素材の開発に成功しました。この素材は、これまでの不燃FRPとは異なり、1,500℃の炎にも耐えることができる特性を持っています。従来の不燃FRPは、一定の温度において燃えにくい性質を持つものの、基本的には燃える素材です。しかし、新たに開発されたこの燃えないFRP素材は、火災や事故から多くの命を守る可能性を秘めています。

FRPとは何か？

FRPは、エポキシ樹脂やフェノール樹脂にガラス繊維や炭素繊維を組み合わせて強化したプラスチックです。自動車や鉄道車両、さらにはテーマパークの建材など、広範囲にわたって利用されています。特に自動車業界では、排出ガス規制の影響から、エンジンの馬力を保ちながら熱に耐えうる素材が求められています。

安全性と環境への配慮

Each DreaMが開発した新素材は、熱伝導率が非常に低いことも特長です。このため、耐熱性が求められるさまざまな製品に適しています。さらに、リサイクルが容易なことから環境への配慮もされています。現在、国際標準規格であるISO 1182の試験合格を目指しており、承認されれば、FRP素材で世界初の本真正不燃FRPと認定される見込みです。

大手メーカーや政府機関も期待

この燃えないFRP素材に対する関心は高く、多くの大手メーカーが今後の可能性に期待を寄せています。排出ガス規制への対応を迫られているメーカーは、特に注目しており、Each DreaMとの協力関係を模索中です。また、政府機関もこの素材に対する期待を寄せ、実用化への道筋を模索しています。

火災から命を守るために

Each DreaMが提供するのは、FRP素材だけではありません。断熱材、塗料、防火液など、火災による命の損失を未然に防ぐための製品も展開しています。例えば、特殊な塗料を使うことで表面を燃えにくくできる他、断熱材を用いることで熱から身を守ることができます。

社長の思いと今後の展望

中野省吾社長は、2019年に発生した京都アニメーション放火事件をきっかけに、命を守る技術の重要性を痛感したと言います。「我が社の製品があれば、絶対に命を救えた」との思いが、その開発を加速させた要因の一つです。新素材が広く普及することで、火災事故による悲劇的な結果を大幅に減少させることができるでしょう。