デロイト トーマツが金融DXソリューション「オカネコDX」を導入
株式会社400F(本社:東京都中央区)は、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社が提供する金融DX支援策として、「オカネコDX」を新たに採用したことを発表しました。この動きは、個人の資産運用への関心が高まる中での重要なステップと位置付けられています。
採用の背景
最近の金融市場では、新NISA制度の拡充に伴って「貯蓄から投資へ」という流れが強まっています。金融庁による「NISA口座の利用状況調査」からは、2024年3月末時点での新NISA口座数が2322万口座を超え、2014年の492万口座から5倍近く増加したことが示されています。この数字は、資産運用に対する関心が高まっていることを示す明確な指標です。
さらに、世界的には「Embedded Finance(組込型金融)」が進展しており、顧客ごとに最適化された資産運用サポートが求められています。多くの企業がWeb完結型の金融サービスを提供する一方で、相談を通じた対話型の金融サービスのニーズも依然として強く存在しています。
400Fの取り組み
このような背景の中、400Fは2018年から「オカネコ」というサービスを運営し、家計診断やオンライン相談、面談などを通じて数多くのユーザーの金融課題を解決してきました。これまでに累計100万人以上がこのサービスを利用し、対話型の金融支援を受けています。
また、400Fは、独自のアドバイザーによるサポートに加え、生成AIを活用した「AIおかねこ」を開発しました。このシステムでは、自動応答機能や質問への返信が行われ、より効率的なサポートが実現されています。
「オカネコDX」は、こうしたノウハウやデータを活かした法人向けサービスで、企業が持つデジタル営業戦略の構築や、チャットシステム、データ分析といった実行支援を行います。これにより、企業は電話や対面の接触が難しい顧客層とも接点を持つことが可能になります。
デロイト トーマツの支援
日本国内では、多様な業種の企業が金融事業に参入する中、デロイト トーマツはその支援を行っています。今回の「オカネコDX」の導入は、金融事業の戦略策定や体制整備、既存のCRMとの融合など、ワンストップでのサポートが提供されることとなります。
デロイト トーマツ コンサルティングと400Fは、Embedded Financeや対話型金融において、AI技術を駆使した顧客体験の設計に注力し、金融営業の分野における顧客体験向上を目指します。
業界の未来への展望
合併した両社は、Embedded Financeによる新たな顧客体験の提供を約束しています。デロイト トーマツ コンサルティングの執行役員、赤星弘樹氏は、Embedded Financeの流れが世界的に加速していることを強調し、400Fのソリューションの活用によって、企業のファイナンシャル・ウェルネスの実現が可能になると述べています。
さらに、400Fの代表取締役社長、中村仁氏は、今後のフィンテック業界におけるEmbedded Financeの進化と、それに伴う対話型金融の深化を期待しています。
結論
現在の金融ビジネスには利用者のニーズに応じた柔軟な対応が求められています。デロイト トーマツと400Fの連携によって、企業が顧客の「ファイナンシャル・ウェルネス」を実現するための新たな支援が開始されることが期待されます。