チューリング株式会社が、経済産業省とNEDOが進める国内生成AI開発プロジェクト『GENIAC』の第2期に採択されたことを発表しました。この採択により、約5.2億円のGPU計算資源を活用し、データセットの構築に助成を受けることが決まりました。これによって、チューリングは完全自動運転に向けたマルチモーダル基盤モデルの開発をさらに推進していく姿勢を示しています。
実際、このプロジェクトは人間の運転を完全に代替できるシステムの構築を目指しています。そのためには、高度な認知や判断能力、以及び実世界での行動を実現する「身体性」を兼ね備えたモデルが必要です。これにより、さまざまな運転環境において周囲の状況をリアルタイムで把握し、変化を予測する能力を持った技術として成長していくでしょう。
具体的には、日本語を含む多言語に応じた大規模な言語モデルを基盤にして、視覚情報を自然言語で理解しながら、三次元空間の認識や物理法則に沿った環境変化の予測を行うデータセットを構築する方針です。このように、データとAIの利活用が進むことで、自動運転技術の進展が見込まれます。
『GENIAC』自体は、国内の生成AIの開発力を強化するために設計されたプロジェクトであり、経済産業省とNEDOが協力してさまざまな形で支援を行っています。基盤モデルの開発に必要な計算資源を提供するほか、データの収集やAI活用に関する実証試験などもサポートされます。
チューリングは、2021年に設立されたスタートアップ企業で、完全自動運転の実現に向けて様々な技術革新を進めています。特に、E2E(End-to-End)自動運転システムの開発に取り組み、カメラデータを基に運転に関する全ての判断をAIが行う新しい技術を開発しています。このプロジェクトの軸となるのは、マルチモーダル生成AI『Heron』や、リアルな運転シーンを生成する『Terra』、さらには運転環境を自然言語で説明し経路計画を行うためのデータセット『CoVLA Dataset』などです。
チューリングは、『2030年までにハンドルのない完全自動運転車の実現を目指す』という未来ビジョンを掲げ、日々技術革新に努めています。
さらに、チューリングでは新たな仲間を求めており、特に日本発の完全自動運転技術を共に作り上げる人材を積極的に募集しています。定期的にオープンオフィスやテックトークのイベントも開催しており、興味のある方はぜひ参加を望まれます。最新のイベントスケジュールには、スタートアップにおける自社GPUクラスタ構築の話やチューリング寿司ナイトが組まれていますので、こちらもぜひ注目してください。