急増するセキュリティ人材の求人市場とその理由とは
近年、特にリモートワークの普及に伴って、セキュリティ人材の需要が急速に高まっています。この動向は、サイバー攻撃や個人情報保護法の改正といった外的要因が影響しており、それに伴う企業のセキュリティ対策の強化が求められています。今回は、2024年以降の求人市場の動向について詳しく見ていきます。
セキュリティ人材の需要が急増
株式会社コトラが行った調査によれば、セキュリティ分野での求人は2019年末のコロナショック以降、一気に増加しました。リモートワークが広がる中で、企業のインフラ基盤に関するセキュリティ対策が重要性を増しているためです。具体的には、企業システムの利用環境が変わることで、セキュリティ対策に対するニーズが急激に拡大しました。これにより、求人数は特に年収1,000万円以上の高額な求人が目立つようになっています。
サイバー攻撃の脅威と年収の高騰
サイバー攻撃やランサムウェア被害の増加は、セキュリティ人材の求人数をさらに押し上げています。実際、2021年以降、年収が1,000万円を超える求人が急増しており、企業が適切なすぐに採用を行うために高い年収で応募者を引き寄せようとしています。このニーズは2024年以降も続くと予想されています。
法改正がもたらすセキュリティ需要の拡大
2022年4月の個人情報保護法改正がもたらした影響も見逃せません。この改正を受けて、特に製造業などの事業会社はセキュリティ対策の強化が求められています。また、サイバー攻撃の脅威が高まるにつれ、SIerや金融機関においても求人数が増加しています。
業界別のセキュリティ求人動向
事業会社
最近では、セキュリティ専任部門を新設する企業が増加し、課長や部長といったハイクラスのポジションでの求人が目立ちます。企業のセキュリティ部署立ち上げというリスクがある一方で、裁量や権限を持てるポジションも多く、魅力的な選択肢となっています。
コンサルティングファーム
コンサルティング業界でもセキュリティ領域の人材不足が続いています。特にBig4などの外資系コンサルタントは、クライアントからのプロジェクトニーズの影響を受けながらも、セキュリティ専門の採用を継続しています。デジタルリスクへの対応を強化する企業においては、特に需要が高まっています。
金融機関
金融機関では安定した求人の増加が見られますが、規模によって「細分化された求人」と「守備範囲が広い求人」の2極化が進んでいます。前者は特定のセキュリティ領域に特化した求人が目立ち、後者は幅広い分野に対応が求められる求人です。
今後の展望
総じて見れば、サイバー攻撃リスクや法改正に伴うセキュリティ対策の重要性が高まり、セキュリティ人材の需要は今後も続いていくと予測されます。この市場は多様化しており、企業ごとのニーズに応じたさまざまな職種が求められることになるでしょう。
特に高給取りのポジションが増える中、今後のセキュリティ人材の市場動向から目が離せません。