酪農業界におけるカーボンニュートラルの新しい挑戦とは

酪農業界におけるカーボンニュートラルの新しい挑戦

最近、株式会社ファームノートデーリィプラットフォーム（ファームノートDP）、丸紅株式会社、明治ホールディングス株式会社の三社が連携し、酪農分野におけるカーボンニュートラル実現に向けた新しい取り組みを始めました。このプロジェクトでは、J-クレジットを活用して温室効果ガス（GHG）の削減を目指しています。

J-クレジットの活用

この取り組みのキモとなるのはJ-クレジットを利用した温室効果ガスの削減です。具体的には、ファームノートDPの牧場で従来の管理方法を見直し、乳牛のふん尿管理を進化させました。これまで畑に散布されていたふん尿は、今後は「強制発酵」によってGHGの排出を抑制することが可能になりました。この新方式により、2022年8月から1年間で149トンのCO2を削減できたとのことです。

「強制発酵」とは、撹拌などによってふん尿を空気に触れさせ、より効率的に発酵させる管理方法で、通常の貯留よりも環境への負荷が軽減されます。この技術により、ファームノートDPは持続可能な酪農業を目指す上での一歩を踏み出しました。

参画企業の役割

丸紅はGHG排出量の算定やJ-クレジットの申請および販売を担当しており、一方で明治HDはこれらのJ-クレジットを購入する立場です。このような協力体制が、酪農業そして畜産業界における経済的循環を生み出し、持続可能な成長につながることが期待されています。特に、今回のJ-クレジット活用は日本国内の酪農分野では初めての試みとのことです。

スタートアップによる革新

ファームノートDPはスタートアップ企業であり、ファームノートホールディングス（HD）の一部です。ファームノートHDは社会課題解決や生産性向上を目指し、2021年から丸紅と協力して酪農・畜産DXの推進に尽力しています。また、明治HDは2023年にファームノートHDに出資し、持続可能な酪農業の実現に向けた研究開発を進めています。このように、スタートアップと大企業が協力するモデルは、他の業種にも広がる可能性を示しています。

将来的な展望

今後も、ファームノートDP、丸紅、および明治HDはさらなる知見や技術を持つ企業と連携し、持続可能な酪農業の実現に向けた取り組みを強化する予定です。これにより、より環境に優しい酪農ビジネスの構築が進むことでしょう。このプロジェクトがどのように進化し、その成果がどれほどの影響をもたらすか、楽しみでなりません。