マネーフォワードの新機能とは?
株式会社マネーフォワードは、契約管理プラットフォーム『マネーフォワード クラウド契約』に新たな機能を追加することを発表しました。この新機能は、AIを使用してリース契約を自動で判定する「AIリース判定機能」です。2025年内に提供予定で、新たなリース会計基準への対応を円滑に進めるための重要なステップとなります。
AIリース判定機能の概要
この機能は、企業が締結した契約書から新しいリース会計基準(以下、「新基準」)に該当するリース契約を自動で識別するものです。新基準に基づくリース契約の特定は複雑であり、企業のバックオフィス部門にとって負担が大きい作業です。しかし、このAI機能により、その業務負担が大幅に軽減されることが期待されています。
特に、リース契約の特定業務の効率化と新基準との照合がスムーズになるため、契約管理にかかる時間と工数が劇的に改善されるでしょう。更に、判定後の契約情報は、2025年にリリースされる「マネーフォワード クラウドリース会計」にも連携され、契約書から会計業務までの一連の流れを簡便にします。
提供の背景
リモートワークの普及に伴い、法務部門におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)が進展しました。その結果、電子契約書の利用が増加していますが、依然として過去に締結した契約書のデジタル化は進んでおらず、紙の契約書と電子契約書が混在している状況です。このような状況は、契約管理の効率を低下させる大きな要因となっています。
新基準が施行される2027年4月1日以降、企業は新しい規則に従い、過去の契約の中から適用対象となるリース契約を見極める必要があります。複雑なリース契約の定義や特定業務は、バックオフィス担当者にとってさらなる負担を強いることになるのです。そこで、マネーフォワードは「AIリース判定機能」の開発に着手したのです。
利用イメージ
このAIリース判定機能の利用方法は以下の通りです。
1.
契約書の一元管理
利用者は、『マネーフォワード クラウド契約』に契約書を取り込む必要があります。「AI自動入力一括アップロード機能」を活用することで、紙や電子の契約書をまとめてアップロードできます。AI-OCR技術により、契約書の情報が自動的に読み取られ、効率的な電子化が実現します。
2.
AIによるリース契約の自動判定
新基準の条件に基づき、AIエージェントがリース契約を自動で判定します。判定の結果は一覧で確認でき、どの契約がリースに該当するかが素早く把握できます。
3.
自動判定結果の確認
AIによる判定結果は、ユーザーが簡単に確認できるよう整理されています。判定が該当する場合は、その根拠となった条文も表示されるため、経理部門との連携もスムーズに行えます。
4.
データ連携
自動判定結果は新しいクラウドリース会計と連携させることができます。これにより、新基準に従った会計業務も効率的に処理できます。
新リース会計基準とは
今回のリース会計基準は、2027年4月1日以降に開始される事業年度から適用され、特に上場企業や大企業に影響を与えます。この基準は、日本の会計基準の国際基準化を推進するものでもあり、企業の財務状況を海外企業とも比較しやすくなります。新基準では、オペレーティングリースも資産・負債として計上しなければならないため、企業は契約を精査しなければなりません。
まとめ
『マネーフォワード クラウド契約』は、契約業務全般をカバーするワンストップ契約管理サービスを提供しています。新たな「AIリース判定機能」により、契約処理の効率化が期待でき、企業全体の生産性向上につながることでしょう。また今後も、マネーフォワードが提供するサービスに注目が集まります。