北広島町の脱炭素先行地域提案、全国出展を目指す取り組み

広島県北広島町の取り組みが、国の脱炭素施策の一環として「第6回脱炭素先行地域」に選定されました。この提案は、㈱森とみずのちからのサポートのもと、地域の特性や資源を最大限に活用することを目的にしています。特に「水と共生するまちづくり」をテーマに、町と県が連携した小水力発電の開発が進められています。

提案の背景と目的

北広島小水力発電㈱が共同提案者として名を連ね、この取り組みは小水力発電事業の国内での横展開を目指すモデルケースとして評価されています。目標期間は令和7年度から令和12年度までで、行政主導のもとでの発電事業の開発が進むため、地域資源である水を最大限活用し、持続可能なエネルギー供給の確立を目指します。

具体的な取り組み内容

今回の取り組みでは、全国での小水力発電普及を図るため、以下の柱が設定されています。

1. 行政主導の小水力発電開発支援スキームの構築 — 小水力発電の導入から維持管理までの支援を一括で行い、地域の開発事業者の参入を後押しします。これにより、外部からの投資を呼び込み、地域内の経済活性化が期待されます。

2. 広島CSVラボとの連携 — 兵庫県内での小水力発電研究を行う官民連携プラットフォームと協力し、知見やノウハウをオープンソース化して地域内外に発信します。これにより、地域での取り組みの透明性を高め、他地域へのモデルケースとしての展開を図ります。

3. 子育て支援施策の拡充 — 北広島町地域エネルギー会社が行う安価な再生可能エネルギー供給により、子育て関連施設の収益を還元し、サービスの向上を図ります。これにより、子育て世帯の定住促進も目指されます。

地域貢献への期待

町長は、「ゼロカーボンタウン宣言」を行った背景を踏まえ、地域資源の水の有効活用による脱炭素社会への移行を期待しています。小水力発電による収益が子育て支援に還元されることで、地域の様々な課題解決に向けた取り組みが進むことを強く願っています。

脱炭素先行地域とは

脱炭素先行地域は、国が2050年までに達成を目指す脱炭素社会の実現に向け、2030年を目標年に、選定された自治体が創造的な取り組みを進めることを目的としています。これにより、家庭や業務などの部門における二酸化炭素排出量を実質ゼロにするモデル地域として認定され、全国的にも注目される存在となります。これからも北広島町の取り組みが、全国に広がりを見せることが期待されます。