ザ・ブレンチ誕生
2025-05-20 10:39:01

金属3Dプリンターによる新しいモックアップ「ザ・ブレンチ」の誕生

金属3Dプリンターによる新しいモックアップ「ザ・ブレンチ」の誕生



近年、建設業界では作業の自動化や省力化が重要なテーマとなってきています。株式会社大林組が開発した金属3Dプリンターを用いて、革新的な大型モックアップ「ザ・ブレンチ」が誕生しました。この取り組みは、業界のニーズを踏まえたものであり、様々な技術が融合しています。

開発の背景



建設業界では人口減少が続き、人手不足が深刻な問題となっています。特に、建設現場では従来の手法に限界があり、より効率的な施工方法が求められています。その中で、3Dプリンターの導入が進む一方で、多くはセメント系材料が使用されてきました。しかし、金属を使用する場合には、特殊な形状の部材の製作需要が増えていることから、金属3Dプリンターの技術が期待されています。

大林組は、このニーズに応えるために、炭素鋼およびステンレス鋼を造形できる金属3Dプリンターを開発。新たなモックアップ「ザ・ブレンチ」にその技術を適用し、完成に至りました。モックアップは樹脂製の屋根と座面が組み合わさり、耐久性に優れた製品が実現されます。

金属3Dプリンターの開発とザ・ブレンチの特長



モデルの開発



大林組が開発した金属3Dプリンターは、アーク溶接を活用したWAAM(Wire-Arc Additive Manufacturing)技術を基にしています。これにより、大型部材の製造が可能となり、高速かつ経済的に部材を造形できます。しかし、前例のない技術であるため、炭素鋼を使用する際には造形精度やスラグの除去方法が大きな課題でした。

これらの課題を克服するため、大林組は材料の最適化を行い、スラグを発生させず正確に造形する方法を開発。ザ・ブレンチの製品もこのプロセスに基づいて製作されており、各種強度試験を経て、品質の保証がなされています。

デザインの革新



「ザ・ブレンチ」は、金属3Dプリンターの特性を最大限に活かすべくデザインされています。新たに開発された設計支援システムを採用し、無数の点群をつなぐネットワークを形成。これは、樹状の支持部材を半自動で生成する手法です。これにより、30体の異なるピースを製造し、それぞれが異なる形状を持ちながらも、高効率で製造可能な仕組みを実現しました。

この手法は、従来の鋳造法と比較してコストと納期を大幅に削減することができると証明されています。# #今後の展望

大林組は、ザ・ブレンチの製造を通じて得た知見を活かし、金属3Dプリンターの研究開発をさらに推進していきます。特に、特殊形状や多品種少量生産といったニーズに応えるための低コストかつ短工期な製造法を構築することで、建設業界に新たな価値をもたらすことを目指しています。このような最新技術の発展によって、将来的には建設現場の在り方自体を変える可能性も秘めています。今後の進展に目が離せません。


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会社情報

会社名
株式会社大林組
住所
東京都港区港南2-15-2品川インターシティB棟
電話番号

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