デジタル化がもたらす防災の未来
静岡県島田市で、株式会社バカンが主導する避難所入所のデジタル化実証実験が2024年12月1日に行われました。この試みは、近年増加する自然災害に対応するための重要な一歩となります。
デジタル化の必要性
自然災害の頻発により、避難が必要な状況が多く発生しています。しかし、避難所が混雑することでスムーズな入所が難しいケースが後を絶ちません。そこで、バカン社は混雑状況をリアルタイムで把握し、避難所マップの提供を通じて迅速な避難を支援する施策を展開しています。
実証実験の概要
島田市立六合中学校体育館にて実施されたこの実証実験では、避難所入所手続きをデジタル化し、従来の方法と比較してどれだけ効率化が図れるかを検証しました。具体的には、マイナンバーカードを用いた受付や、アプリを利用したQRコード読み取りを行い、所要時間を測定しました。
実施方法
1.
QRコード読取: 避難者は事前にアプリ設定を行い、QRコードをカメラで読み取る。
2.
カードリーダー利用: マイナンバーカードをカードリーダーにかざす。
3.
紙媒体記入: 従来通りの方法で避難者カードに記入。この3つの方法で、それぞれの所要時間を計測しました。
検証結果
実験の結果、新たに用いたQRコード読取の方法では、平均でわずか21秒で手続きが完了しました。これは、従来の紙媒体記入よりも半分以下の時間です。アンケート調査でも、参加者の98%がスムーズに感じたと回答し、デジタル化の効果が確認されました。
業務の多様性
また、今回の新たな方式は、複数の利用者が同時に手続きを行うことができるため、非常時には特にその効果が期待されます。さらに、過去に実施した実証実験で明らかになったように、データベース化された情報を使用することで、待機時間の大幅な短縮が可能です。
地域交流推進アプリ「tami tami」
今回の実証実験において活用された「tami tami」は、地域コミュニティの活性化を図るための機能が多数備わっています。避難所における手続きの簡略化、位置情報の確認、混雑状況の配信などの機能を通じて、災害時の不安を軽減します。
アプリの機能
- - 避難所入所手続き: QRを読み取るだけで入所が可能。
- - 避難所マップ: 近くの避難所の位置や開設状況をリアルタイムで確認可能。
- - 施設予約: 公共施設の予約が可能。
- - 電子回覧板: 地域の情報を効率的に共有。
今後の展開
バカンは、この取り組みを通じてさらなる機能拡充を目指しています。今後は、自治体ごとのニーズに応じたカスタマイズや、避難時の物資管理、名簿作成、データ連携機能の提供を計画しています。また、日常利用においても地域の観光やイベント情報を発信することで、利用者にとって有益なサービスを提供することを目指します。
企業情報
株式会社バカンは、東京都千代田区に本社を構え、2016年6月に設立されました。同社は、IoTとAIを駆使して様々な地点の混雑状況を可視化し、「待つ」をなくすサービスを提供しています。
お問い合わせ
- - 会社名: 株式会社バカン
- - 代表者: 河野剛進
- - 所在地: 東京都千代田区麹町2-5-1 WeWork 半蔵門 PREX South 3F
- - URL: バカン公式サイト