飛騨市、9月の認知症月間に多彩な活動を展開
岐阜県飛騨市では、9月を「認知症月間」として、認知症や介護に対する理解を深める多くの企画を実施しています。この活動は、市長の都竹淳也氏が率いるもので、地域全体が一丸となって認知症に向き合おうとする姿勢が見られます。
市内の小中学校では、「認知症サポーター養成講座」が開かれており、地域の子どもたちには、認知症に関する正しい知識を伝えることを目指しています。これにより、子どもたちが認知症を理解し、地域で見守る役割を担ってもらおうとしています。さらに、VR(仮想現実)技術を駆使した認知症状の疑似体験も行われ、参加者は認知症の方がどのような思いで日常生活を送っているのかを体感しました。
オレンジブックコーナーの設置
飛騨市図書館と神岡図書館には、「オレンジブックコーナー」が設けられ、認知症や介護に関する書籍をまとめて展示しています。このコーナーは、オレンジ色が認知症啓発の象徴であることに由来して名付けられました。
各館には、認知症に関する実用書や専門書、当事者の書いた本など、129冊が集められています。これによって、利用者は関連情報を一箇所で容易に見つけられるよう工夫されています。
また、当事者による直筆のメッセージや、ニット作品の展示も行われており、認知症に対する理解を深めるための工夫がされています。特に、住民が制作した押し花しおりなどが配布されるなど、地域の参加も促進されています。
認知症サポーターの取り組み
認知症サポーターとは、認知症の人々やその家族を助けるために正しい理解を持つ人のことです。この資格を取得するために、市内の小学校ではワークショップが開催され、認知症についての基礎知識や、接し方のポイントが教えられました。
具体的には、認知症になると情報の保持が難しくなるため、適切な声のかけ方、相手の話に耳を傾ける重要性などが説明されています。
地域全体の理解を深めるために
飛騨市図書館の副館長である西倉幸子さんは、「図書館は情報発信の拠点であり、地域包括支援センターと連携して棚を作っています。認知症は誰の身にも起こりうるもので、このコーナーを多くの方に利用してもらえたらと思います」と語ります。
今後も、地域での認知症に関する活動を強化しつつ、高齢者やその家族を支える取り組みを進めていく計画です。すべての人が安心して暮らせる社会を実現するために、飛騨市はますます力を入れていくことでしょう。
お問い合わせ先
何か質問があれば、飛騨市図書館(0577-73-5600)または飛騨市役所の地域包括ケア課(0578-82-1456)までお声掛けください。
飛騨市は、周囲を雄大な山々に囲まれ、自然豊かな環境に恵まれた地域です。多彩で独自の文化を持ち、地域全体で認知症に対して前向きなアプローチを進めています。市民が共に学び、支え合う姿勢が根付くことで、認知症の理解は広がり続けることでしょう。