キリンビバレッジが物流革新に挑戦
キリンビバレッジ株式会社が、東日本エリアの物流拠点である海老名物流センターに自動ピッキングソリューションを導入しました。この革新的な仕組みは、三菱重工業が開発した「ΣSynX」を利用し、物流の効率化と自動化を図るものです。2023年12月から稼働を開始し、2025年1月から出荷量を段階的に増やしていく予定です。
自動ピッキングソリューションとは
この自動ピッキングソリューションは、飲料業界におけるピッキング作業の効率化を目的としています。従来は、多くの業務が人の手で行われており、特に重量のある飲料パッケージを扱う作業は、作業者に大きな負担を強いていました。自動ピッキングは、無人フォークリフト、無人搬送車、ピッキングロボットを連携させることで、従来の固定設備を廃止し、柔軟な倉庫レイアウトが可能になります。さらに、実証実験を経て、生産性は42%向上することが確認されています。
作業環境の改善
自動化と知能化により、人にかかる重労働から解放されるだけでなく、他の作業への人員再配置も可能になります。これにより、物流業界が直面する人手不足問題の対応も加速し、2024年の労働時間管理強化に向けた解決策となります。
BCP対応の柔軟性
また、今回導入されたシステムは完全自動化も視野に入れつつ、有事の際に人間による作業が可能なハイブリッド設計です。停電や自然災害時にも対応できるよう、BCP(事業継続計画)を考慮した機構となっているのも注目です。
物流センターの詳細
- - 名称: キリングループロジスティクス東日本支社湘南支店海老名物流センター
- - 所在地: 神奈川県海老名市門沢橋6丁目2-1
- - 敷地面積: 2階建ての倉庫で1階15,768㎡、2階15,907㎡
- - 導入設備: AGF(無人フォークリフト)4台、AGV(無人搬送車)11台、ピッキングロボット1台
今後の展望
キリングループと三菱重工グループは、2024年8月から飲料倉庫へのトラック荷積み・荷降ろしの自動化について共同実証を進めています。今後も、物流業界が直面する多種多様な課題に対して連携し、解決策を提供していくことが期待されています。自動ピッキングソリューションは、特に人手不足に悩む業界において、大きな変革をもたらす取り組みとなるでしょう。