インドネシアで行われた被災者支援の舞踊公演
東北地方太平洋沖地震の影響を受けた被災者の復興を支援するため、インドネシア各地で様々な取り組みが行われています。その中でも特に注目されたのが、2011年3月28日に開催された「バリ古典舞踊公演 LANGSE(ランセ)」です。この特別公演は、バリ島ウブドにあるプリ・アグン・プリアタン(プリアタン王宮)での伝説的な舞台が再演される形で実施されました。
公演は、被災者への支援の象徴的な意味を持ち、祈りや思いが込められた演目が舞踊家たちによって捧げられました。この特別な舞台は、バリ舞踊界のマエストロたちとその有志によって結成された“ヤヤサン・インタン・ブダヤ・ヌグリ”が主催し、プリアタン王宮の王チョニンディアの後援を受けて実施されました。観客は、舞踊による人々の悩みを癒す力を感じることができました。
この公演では、バリ舞踊の著名な踊り手であるイダ・バグース・ブランシンガ氏や、オレッグタンブリンガンの第一踊り子、イ・グスティ・アユ・ラカ・ラスミさんが出演し、舞踊を通じて強いメッセージを発信しました。さらに、日本デンパサール総領事館の城田総領事からは、被災者への見舞いと復興への希望が込められた挨拶がありました。
この取り組みは、被災者への支援活動が進められる中、文化を通じた絆を感じさせるものでした。また、ガルーダ・インドネシア航空は、政府からの救援物資の無償輸送に協力し、被災者の助けとなるべく積極的な支援活動を続けています。この舞踊公演を通じて、被災者の方々が一日でも早く平穏な生活に戻れることを願う声が高まっています。
公演プログラム
公演は、2つのプログラムから構成されており、特に印象深い演目が披露されました。
プログラム1: スリ・ラング
(時間: 15:30-17:00)
ガンガサリ楽団によるガムラン演奏が素晴らしい舞台を彩りました。デウィ・スリという豊穣の女神の心が農民たちにもたらす希望と繁栄を描いたこの舞踊は、若手の舞踊家たちによって華やかに演じられ、観客を魅了しました。
プログラム2: マエストロと継承者によるバリ古典舞踊公演
(時間: 19:00-21:00)
インドネシア初代大統領・スカルノ大統領のもとで国民の代表として舞踊を世界に広めてきた天才舞踊家たちの舞台は、いまや普段は観賞できないような貴重な演目が際立ちました。舞踊界の人間国宝のダンサーたちが舞台を彩り、彼らの古典舞踊に秘められた魂が観客に伝わりました。
今後の公演予定
この公演の成功を受け、今後も様々な舞踊公演が予定されています。
15:30 - ジャンゲール舞踊劇 (マエストロ:イ・グスティ・アユ・ラカ・ラスミ)
17:00 - アルジュナ・ウィワハ舞踊劇 (マエストロ:イダ・バグース・オカ・ウィルジャナ)
15:30 - トペン舞踊劇 (マスター:イ・ワヤン・ディビア)
17:00 - ワヤン・ウォン舞踊劇 (マエストロ:ニ・ル・ムネック)
15:30 - スリ・ラング舞踊劇 (Supported by All maestro & Master)
17:00 - バリ古典舞踊マエストロと継承者による特別公演 (All Maestro)
舞踊は文化と人々を繋ぎ、希望の光を届ける力を持っています。今後の公演にも期待が高まります。