海士町のサステナブルな取り組み
島根県の隠岐諸島に位置する海士町では、地域資源の循環を目指したユニークなプロジェクトが進行中です。その概要と背景を探ってみましょう。
1. プロジェクトの目的
この取り組みは、株式会社GREEN FLAGが中心となっており、サーキュラーエコノミーを実現することで地域の持続可能な発展を目指しています。具体的には、海士町内で回収された古着を活用し、再生繊維フェルト「Rebornfiber®ボード」を製作しています。
1.1 Rebornfiber®ボードとは
Rebornfiber®ボードは、不要になった繊維廃棄物や古着を主原料としており、水や接着剤を使用せずに100%繊維で作られた新しい素材です。このボードは、さまざまな厚みや硬さを調整できるため、雑貨や家具、建材など多岐にわたる用途で利用可能です。
2. プロジェクトの実績
このプロジェクトの第一弾として、2024年11月に竣工した海士町役場の新庁舎においてRebornfiber®ボードを使用した家具が設置されました。具体的には、受付テーブルやコミュニティスペースの棚、掲示板などに活用されています。
2.1 地域住民の参加
この取り組みでは、島内の住民から回収した古着約100kgを使用。同町の「つなかけ」や菱浦港に設置された回収ボックスを通じて、地域の人々もこの循環資源に重きを置く形で参加しています。このような取り組みは、地域住民が環境問題に関心を持つ契機ともなっています。
3. ワークショップの開催
プロジェクトの第二弾を迎え、2025年1月にはワークショップが開催されました。このワークショップでは、地域の住民や子どもたちに対し、Rebornfiber®の特性や活用方法を紹介し、自分の手でプランターバッグやPCケースを作る機会が与えられました。
3.1 参加者の声
参加者たちは、Rebornfiber®のユニークな模様や風合いに触れながら、楽しみながら制作活動を行いました。特に小さな子どもでも扱えるよう、針を使わない設計が特徴でした。このワークショップを通じて、地域資源の利用促進やサステナブルな考え方についての理解が深まりました。
4. 地域の魅力
海士町は、自然の恵みが豊かな美しい島です。国立公園に指定されるなど、地域の環境への配慮がなされています。また、人口2200人に満たない小さな島ながら、近年は移住者が増えており、地域の活性化が進んでいます。「ないものはない」という精神のもと、地域資源を積極的に活用した取り組みが進められています。
5. 未来に向けて
海士町では、繊維製品に限らず様々なモノの循環資源化を進め、地域全体でのサーキュラーエコノミーの実現に取り組んでいます。今後も多様な角度から資源循環について考え、より多くのアイディアやプロジェクトに挑戦していくことで、持続可能な社会に向かう姿勢を強化しています。
この取り組みを通じて、環境にやさしい新しい地域の形を模索している海士町。今後も目が離せない注目の地域となるでしょう。