奈良で味わうインドの伝統染
奈良市雑司町に位置する「CALICO: the BHAVAN」では、2024年9月13日から特別企画展「CALICO: the EXHIBITION vol.4 Khatris in transition」が開催されます。この展示会はインドの伝統的な染織技術を紹介し、染職人たちによる繊細な作業とその背景に迫ります。オープニングセレモニーには、アジュラック染職人のドクター・イスマイル・モハメッド・カトリー氏が登場し、彼の息子や研究者と共にトークイベントを行います。
アジュラック染の魅力
アジュラック染は、西インドやパキスタンのシンド州に古くから伝わる伝統的な技法です。この染色技法では、木版を利用して様々な文様を生み出し、繰り返し染色を行います。複雑な模様と鮮やかな色彩は、イスラム文化の影響を強く受けており、まさにアジュラック染の象徴となっています。この技術を持つカトリーの職人たちが、代々受け継いできた知識や技術を目の前で見ることができる貴重な機会です。
展示の見どころ
企画展では、カトリー職人たちの実際の作業や、彼らの作品がどのように創られるのかを知ることができる機会が設けられています。後日には、バンダニ(括り絞り染)やアジュラック染のワークショップもあり、実際に染色を体験できることから、参加者は終始興奮を覚えることでしょう。スフィヤン・イスマイル・カトリー氏は5度目、アブドゥルジャバール・カトリー氏は昨年に続き3度目の来日で、彼らの深い知識と技術を直接学ぶことができます。
伝統的な手仕事と現代の関係
これまで、日本において多くのインド布は「更紗」として記述され、背景や作り手の存在があまり考慮されていませんでした。しかし、現在は作り手であるカトリーの人々が日本を訪れる時代です。それぞれの布に込められた思いや背景を知ることで、利用者は布との新しい関係を築くことができるでしょう。この展示会を通じて、参加者はインドの文化と織物技術に対する理解を深めることが期待されています。
まとめ
このように、インドの伝統染の素晴らしさを奈良市で体験できるこのイベントは、間違いなく多くの人々を魅了することでしょう。歴史的な視点からの展示だけでなく、実際に手を動かして参加できるワークショップもあり、身近にインドの伝統文化に触れる機会となります。興味のある方は、ぜひ足を運んでみてください。