三菱電機株式会社は、デジタル基盤「Serendie™(セレンディ)」を活用した新しい価値共創プログラムにおいて、UI(ユーザーインターフェース)開発の効率化と品質向上を目的とした「Serendie Design System」の提供を開始しました。これによりWebサイト上で11月7日から無償で利用できる特徴的なデザインシステムが誕生します。
このシステムは、数多くのデザインパーツを備えており、デザインツール「Figma」とフロントエンドフレームワーク「React」との連携により、スムーズで効率的なワークフローを実現します。デジタル化が進む現代において、顧客とのインタラクションを強化するUI/UX(ユーザーエクスペリエンス)の重要性が増してきているため、UI開発の効率と質を向上させることが喫緊の課題となっています。このような背景の中、三菱電機は「Serendie Design System」を通して、より一層のデジタルトランスフォーメーション(DX)の促進を目指します。
「Serendie Design System」は、社内外で広く適用できるように開発されており、特にブランドアイデンティティの維持と、ユーザーの利便性を考慮したデザインが特長です。多様な事業領域で培った知見が集約された本システムは、再利用可能なデザインパーツを数多く取り揃えた、初めての事業領域を横断するデザインシステムです。
具体的には、ボタンやフォーム、アイコンなどの即利用可能なデザインパーツを豊富に取り揃えているため、デザインの専門知識がない方でも統一感のあるUIを構築できます。さらに、これらのパーツは三菱電機のブランドガイドラインに準拠して設計されており、利便性と操作性にも優れています。これによって、UI開発の際に製作したパーツを再利用しやすくなり、開発効率が著しく向上するのです。
また、FigmaとReactの連携により、デザインから実装へと移行するプロセスが大幅に効率化されます。デザインパーツをFigma上で組み合わせることで、簡単にUIデザインが作成できるため、プロトタイプを短時間で仕上げることが可能です。これにより、開発時間が短縮され、ユーザーからフィードバックを受けながら迅速にUIを改善していくPoC(概念実証)開発にも最適な環境を提供します。
今回の新システムは「Serendie Street」という共創の場でのアクティビティを加速させる役割も果たします。デザイナーやエンジニア、ビジネス担当者など異なる専門家が参加し、共通のデザインパーツを活用することで、コミュニケーションが円滑になり新たなアイデアを具体化することが期待されています。このように、Serendie Design Systemは、参加者全員が共通する認識をもつ点で、スムーズな議論を促進し、共創活動の成果となる価値を迅速に提供する助けとなります。
三菱電機の執行役員である朝日宣雄氏は、「デジタル基盤『Serendie』では、さまざまな分野の専門的な知見を持った人々との共創を重視しています。このデザインシステムは、統一性を持った使いやすいUIを実現するための重要なツールです」とコメントしています。
今後の展望として、三菱電機はグローバル展開を視野に、多言語対応を進めるほか、デザインだけでなくエンジニアリングプロセスも含めたデザインシステムの統合を予定しています。これは、デザイナーとエンジニアがより関連性を持って協力できる環境を築き、質の高いUX開発を実現することにつながります。また、継続的なデザインパーツの追加と新たなユースケースへの対応も視野に入れ、エコシステムとしての発展を目指しています。このような取り組みを通じて、デザインシステムの進化とより良いUI/UXの普及を図る考えです。
このように、三菱電機の「Serendie Design System」は、デジタル時代に対応したデザインシステムであり、UI開発の新たなスタンダードとなることが期待されています。興味のある方は、是非この機会に試してみてはいかがでしょうか。