双葉電子工業、新開発の樹脂温度センサで成形技術を革新
千葉県茂原市に本社を置く双葉電子工業株式会社は、射出成形と押出成形における新技術、"ノズル樹脂温度センサ"を発表しました。このセンサは、樹脂の温度をリアルタイムに計測し、最適化を図ることができる業界初の製品です。2025年11月に開催される「高機能素材Week東京2025」で実演デモが行われる予定です。
センサの革新性
従来の技術では、射出成形機や押出成形機のノズル内の樹脂温度を正確に測定することが難しい課題がありました。高温かつ高圧の条件下での成形品の製造では、適正な樹脂温度の管理が品質に大きく影響します。そのため、今回のセンサは、耐熱温度420℃、耐圧350MPaという過酷な環境でも安定して動作するように設計されています。
また、赤外線での迅速な温度測定を行い、温度応答速度はわずか8ms。この高速応答により、成形中の温度変化を逃さず捉えることができるようになっています。
環境負荷への配慮
近年、バイオマスプラスチックなどの環境配慮型材料の需要が増加しており、これらの樹脂は溶融温度領域が狭く設定されています。特に、環境負荷軽減への取り組みが求められる今、これらの樹脂の温度管理がより重要になってきます。このような背景をもとに、双葉電子工業は新しいセンサの開発に取り組みました。
センサの特長
- - 高精度・高再現性: ±1%(F.S.)の精度で、成形条件の再現性を確保。
- - 成形条件の最適化支援: 断熱圧縮とせん断発熱による温度変化を考慮した設定が可能。
- - 品質安定化への貢献: 環境変化に敏感に反応し、品質の維持に貢献。
- - スクリュ・ヒータの検証: 設計通りの混練・加熱が行われているかの確認ができます。
出展情報
この新製品は、2025年11月12日(水)から14日(金)まで、幕張メッセで開催される"高機能素材Week東京2025"に出展される予定です。実演デモでは、射出成形機を使用してその機能を実際に体験することができます。興味がある方は、ぜひ訪れてみてください。
双葉電子工業について
双葉電子工業は1963年から金型部品の製造・販売を行っており、2000年より射出成形の内部を可視化する「金型内計測システム モールドマーシャリングシステム」を開発・販売しています。今回の新技術も、これまでの経験とノウハウを生かした革新となっています。
詳細な情報は、公式ウェブサイトをぜひご覧ください。今後の成形技術の進化に大いに期待が寄せられています。