NPO法人家庭養育支援機構について
2024年9月5日、日本において初となる家庭養育を支援するNPO法人、家庭養育支援機構が設立されました。この取り組みは、日本財団の協力により、里親や養子縁組に携わる人々が家庭内で質の高い養育を行えるような支援ネットワークを構築することを目的としています。
設立の背景
日本では、児童相談所に寄せられる虐待の相談件数が急増しており、1日500件を超える日もあります。これにより社会的な養護を必要とする子どもたちが数多く存在しています。子どもが信頼できる大人との安定した関係を築くことが、将来的な健康や発達に大きな影響を与えることが研究から明らかとなっています。
政府による法律改正が進む中、2016年の児童福祉法改正により、社会的養護を受ける子どもたちは家庭養育を優先することが明文化されました。さらに、今後の法改正により、里親支援センターの法定化が進むことが予想され、必要な人材の育成が急務となっています。このような状況を受け、すでに活動を重ねてきた有志たちが集まり、家庭養育支援機構の設立へと至りました。
主な事業内容
家庭養育支援機構では、以下のような事業を展開していく予定です:
- - 研修・コンサルティングの提供:地方自治体や民間団体に対し、里親支援に関する研修を行い、具体的な支援方法を学んでもらいます。
- - 人材育成:新たな支援者の育成とネットワーク形成に努め、質の向上を図ります。
- - 普及啓発事業:里親や養子の制度についての理解を深め、広める活動を行います。
- - 質の向上支援:里親支援センターの評価や支援を通じて、より良い支援体制を築きます。
- - 調査研究:家庭養育に関する調査を実施し、その結果を政策提言に活かします。
これまで、日本国内では児童養護や里親支援に関する先進的な活動が数多く行われてきましたが、家庭養育に特化した支援機関は存在しませんでした。このようなニーズに応えるため、家庭養育支援機構が登場したのです。
これまでの実績
家庭養育支援機構は、すでにいくつかの重要な実績を持っています。例えば、英国の里親登録前研修「スキル・トゥ・フォスター」に基づいた講座を実施し、高い評価を得ました。また、長野県で行った里親リクルート研修にも22名が参加し、満足度は100%を記録しました。このように、国内外の先進的な方法を取り入れたプログラムを提供することで、里親制度の質の向上に貢献しています。
ミッションとビジョン
家庭養育支援機構のミッションは、「子どもにとって大切なおとなとのつながりを保障し、安心して育てられる環境を創造すること」です。ビジョンとしては、養子縁組や里親養育に関する支援の質を向上させ、社会全体が協力して子どもたちを育てる環境を整備することを掲げています。これにより、社会全体で子どもが大切なおとなとつながり、健やかに成長できるようにしていくのです。
お問い合わせ先
家庭養育支援機構に関する詳細や情報は、公式のウェブサイトやメールでのお問い合わせを通じて得ることができます。
私たちの社会が、子どもたちにとってより良い環境を提供できるようにするために、家庭養育支援機構の成長と活動に注目していきましょう。