ABEJAが新たに開発したLLMモデル
株式会社ABEJAは、「ゆたかな世界を、実装する」という理念のもと、経済産業省が立ち上げた「GENIAC」に基づくプロジェクトで、新しい小型化モデルの開発を進めてきました。このモデルは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が支援する「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」の一環として、研究開発が行われています。
特に注目すべきは、開発した32Bのモデルが複数の汎用言語性能指標において、OpenAIの持つ「GPT-4」を上回る性能を達成したという点です。これにより、ABEJAは次世代の生成AI技術における新たなステージに立つことができると期待されています。
モデルの特徴と今後の展望
このモデルはファインチューニング前の段階でありながら、すでにGPT-4と同等以上の性能を示しています。一般的には、ビジネス環境で使用されるAIモデルは、特定のユースケースに応じてカスタマイズされることが求められますが、ABEJAはこの段階でも高い精度を実現できたことは大きな成功です。これにより、今後のビジネスプロセスへの実装に際して、さらなる精度向上が期待されます。
また、ABEJAはAI導入を通じて、「テクノロジーの力で産業構造を変革する」というミッションに注力しており、その核心をなすのが「ABEJA Platform」です。このプラットフォームは、企業のミッションクリティカル業務を支えるための安定した基盤システムを提供し、生成AIやその他の最新技術を駆使して、AIと人間の協調を促進する役割を果たしています。
研究の進捗とタスク実装
現在、ABEJAは第一期の研究開発を経て、2024年10月から第二期のプロジェクトに取り組んでおり、50B以下や10B以下のモデル構築に挑戦しています。具体的には、ABI技術や論理推論、情報抽出といった理系タスクにおいて、高い性能と運用コストの両立を目指しています。
ABEJAはすでに社会における生成AIの需要の高まりを受けて、LLMの技術開発や実装の進展に努めています。今後の研究開発を通じ、得られるノウハウを広く社会に提供することで、次世代の研究者や技術者の育成にも寄与していくことを目指しています。
最先端技術の公開
ABEJAが開発した32Bモデルは、今後Hugging Faceプラットフォームでも公開される予定で、技術的な詳細や評価結果についてもブログを通じて情報が発信されます。これにより、より多くの企業や開発者が最新の技術を活用できる環境を提供し、生成AIを利用した新たなビジネスモデルを創出することを支援します。
企業理念として掲げる「ゆたかな世界を、実装する」を実現するために、ABEJAはこれからも自社の技術を進化させ、多くの人々に貢献することを目指します。少子高齢化が進む中で、今後もAI技術が果たす役割はますます大きくなるでしょう。