リクルートスタッフィングの『ゾーンアップ』の取り組み
リクルートスタッフィングは、IT人材の専門性向上を目指して、独自の育成プログラム『ゾーンアップ』を展開しています。この取り組みは、未経験者をITエンジニアに育成することを目的としており、具体的には無期雇用派遣社員として積極的に採用し、専門的なITスキルを身につけてもらうことを重視しています。これにより、日本の深刻なIT人材不足への対応を試みています。
現在の背景と課題
情報技術の進化や高齢化により、日本国内ではIT・デジタル人材が不足しています。経済産業省の予測によると、2030年には約79万人のIT人材が求められており、企業の採用活動では経験やスキルが特に重視されています。こうした現状を踏まえ、リクルートスタッフィングは、未経験者を対象とした無期雇用派遣を通じて、ITエンジニアのキャリア形成を支援しています。
『ゾーンアップ』プログラムの詳細
『ゾーンアップ』は2020年から開始されたプログラムで、ITエンジニアに必要なスキルを4つの「ゾーン」に分類し、それぞれに応じた業務を通じてスキルを習得していく仕組みとなっています。
- - ゾーン1: 手順書に基づいた基本的なIT業務
- - ゾーン2: トラブルシューティングを含むIT業務
- - ゾーン3: システム運用や開発の構築
- - ゾーン4: システム運用や開発の設計
未経験者は手順書に基づく業務から開始し、徐々にスキルを深化させることが期待されます。さらに、プログラム参加者からは「キャリア成長の機会を得られた」といったポジティブなフィードバックも寄せられています。
成果と現在の状況
RSISでは、2024年度に入社した無期雇用派遣スタッフの9割以上がITエンジニア職未経験者です。その中でも、IT業界での就業やイベント参加を通じてスキルを向上させることに成功したスタッフが直近3年間で2倍に増えました。具体的には、無期雇用派遣スタッフの数は1,963人で、その大多数がITエンジニア職未経験からの入社者です。
さらなる展開と支援プラン
リクルートスタッフィングは、派遣先企業との育成パートナーシップを強化し、基盤を整えています。また、ゾーンアップを支援するための説明会や資格取得イベントなども定期的に実施しており、参加者にとって得られる経験を広げています。
これにより、より多くの人がITエンジニアとしてのキャリアを築く機会を得られる環境を整えています。今後もリクルートスタッフィングは、未経験者を支え、ITエンジニアとしての専門性を向上させる施策を推進していく方針です。
まとめ
リクルートスタッフィングの『ゾーンアップ』プログラムは、未経験者がIT業界でのキャリアを積むための有効な手段となっています。この取り組みにより、専門的なスキルを習得するチャンスが提供され、ITエンジニア不足の課題に対する解決の一助となることが期待されています。