ニッケの新プロジェクト「WAONAS」始動
日本毛織株式会社(以下、ニッケ)は、ウール衣料品の循環を実現するプロジェクト「WAONAS」を発表しました。このプロジェクトは、四半世紀以上にわたる同社の回収システム「エコネットワーク」の経験と、独自の紡績技術を融合させ、「衣料品廃棄ゼロ」を目標に掲げています。
プロジェクトの背景
現代の衣料業界では、特にEUにおいてエコデザインに関する厳しい規制が施行され、売れ残りの衣類を捨てることが禁じられるなど、環境への配慮が求められています。日本国内でも、経済産業省が「繊維産業におけるサステナビリティ推進に関する議論の中間とりまとめ」を公表し、衣料品の各段階における持続可能な取り組みが進められています。
ニッケの主力商品であるユニフォーム素材は、長期間の使用を前提として設計されているため、もともと資源効率が非常に良いものとされています。しかし、使用後に捨てられる制服問題は依然として残っています。
ニッケの取り組み
ニッケは1998年から、ウール素材を回収する「エコネットワーク」を運用しており、回収した衣料品は自動車用内装素材などの産業資材に再利用されています。さらに、ウールと他の繊維が混ざった衣類を回収し、衣料用の糸に再生する独自の技術開発も進めてきました。この新技術は、駒場学園高等学校(東京都世田谷区)の協力により「循環型制服」として実証実験が行われ、実際に再生した糸を使用した制服が展開されています。
このように、ニッケは130年の歴史を持ち、独自の技術を活かしながら、「服から服」という循環の仕組みを整備し、さらなる環境負荷低減を目指しています。
パートナー様の募集
「WAONAS」はニッケ単独では成立しないプロジェクトです。衣料品の循環型モデルを推進するためには、多くのパートナーの協力が不可欠です。そのため、ニッケはこのプロジェクトへの賛同を得られるパートナーを広く募集しています。
例えば、衣料品回収や循環型衣料の普及に賛同される学校関係者、官公庁、企業などさまざまな方々との連携が求められます。興味のある方は、ぜひ問い合わせをしてほしいとのことです。詳細はこの記事の最後に記載された連絡先を参照してください。
お問い合わせ先
「WAONAS」プロジェクトに関する問い合わせは、日本毛織株式会社の衣料繊維事業本部販売統括部販売促進部の松元までお願いします。
電話番号:06-6205-6666
この新たな取り組みが、日本の衣料品循環システムの改革につながることを期待しています。