フィジオロガス・テクノロジーズ、資金調達の成功
フィジオロガス・テクノロジーズ株式会社は、2023年10月に約3億円の資金調達を実施したことを発表しました。この資金調達はシリーズAラウンドのファーストクローズとして行われ、株式会社ロッテホールディングスのヘルスケア・バイオ医薬領域のCVCがリード投資家として名を連ねました。また、新たにJMTCキャピタル合同会社と株式会社エスケーエレクトロニクスが株主として参加しています。
この資金は、主に在宅血液透析装置やその消耗品の設計・開発に使用され、さらには非臨床試験などに向けても活用される予定です。これにより、医療業界に新たな風を吹き込むことが期待されています。
在宅血液透析の重要性
現在、日本国内には約34万人の末期腎不全患者がおり、多くはクリニックで週3回の血液透析を受けています。その一方で、通院が不要で自宅で行える在宅血液透析は、患者の生活の質(QOL)を向上させる方法として注目されています。しかし、日本においては在宅用の透析装置が未だに普及しておらず、患者数は約800人にとどまっています。
フィジオロガスが開発を進める在宅向けの血液透析装置は、より手軽に使用できることが期待されており、患者が自宅で簡単に治療を行える環境を整えます。これにより、通院の負担が軽減され、患者のQOLが大幅に向上することでしょう。
フィジオロガスのプロジェクト
フィジオロガスは、北里大学で行われた研究成果をもとに、尿毒素を効率的に除去し、透析液を装置内で再利用する仕組みを開発中です。この新技術によって、通院不要での頻回透析が可能になり、医療上の恩恵が大きく増加すると考えられます。患者自身だけでなく、その家族にも良い影響をもたらし、末期腎不全患者が社会復帰を果たす手助けとなることでしょう。
フィジオロガス・テクノロジーズ株式会社のビジョン
フィジオロガスは、2020年に設立されたスタートアップで、医療テクノロジーの分野で革新を目指しています。「テクノロジーで医療を革新し、患者さんとそのご家族により幸せな生活を届ける」という使命のもと、今後も様々な医療機器の開発を続けていく計画です。
現在、フィジオロガスは日本最大規模の産学連携マッチングイベント「イノベーション・ジャパン」に出展する予定で、さらなる注目を集めています。興味のある方は、ぜひその展示を訪れることをおすすめします。
まとめ
フィジオロガス・テクノロジーズの資金調達は、在宅血液透析分野における新しい可能性を開く大きな一歩です。今後の展開に期待が寄せられる中、患者のQOL向上と医療への貢献に向けた努力は続くことでしょう。今後も目が離せない企業です。