株式会社ビズリーチが運営する「ビズリーチ WorkTech研究所」は、500名以上の従業員を持つ企業の経営者および人事担当者を対象に、採用や人材の最適配置、異動に関する調査を実施しました。この結果、約70%の企業がキャリア採用の難度が上がっていると感じており、今後ますます社内の人材活用が重要になることが示唆されています。
調査によれば、キャリア採用の難度について「全体的に上がっている」と答えた企業が37.4%、一部職種で上昇しているとする声も32.8%あり、全体で見れば7割近くが難しさを感じています。また、新たな人材が必要な際に73.8%の企業が採用と異動の両方を考慮していることがわかり、職種による柔軟な人材登用が求められています。
社内公募やジョブローテーションは社内の人材を活用する手段として一般的ですが、これにも課題が存在します。社内公募について39%の企業が「数や種類が少ない」と回答、適任者が集まらない問題も指摘されました。また、異動を会社主導で行う場合には、57.5%の企業が「社員のモチベーションが低下する」と不安を抱いています。これにより、従業員の適性や意向を反映した仕組みが必要だということが明らかになりました。
調査の結果、93.4%の企業が「社内から適任者を探す仕組みがあると良い」としており、特に「適材適所の配置により生産性が高まる」との意見が多く寄せられました。したがって、組織の全体最適と社員個人のキャリア支援を両立させるためには、新たな人事異動の仕組みが不可欠だと言えるでしょう。
ビズリーチ WorkTech研究所所長の友部博教氏は、企業は社内の人材流動性を高め、キャリアパスの構築を進めるべきだと述べています。その中でデータの活用が鍵となっており、ポジションの要件と社員のスキル・キャリア希望が明確に視覚化されることで、適切な人材配置が可能になると言います。具体的には、異動希望の多様性を把握することにより、最適なマッチングの実現が期待されます。
また、社内のポジションを可視化し、キャリア選択肢を提供することが従業員のモチベーション向上にもつながります。これにより、人的資本経営の観点でも企業には社内の人材配置の最適化が求められるということです。
調査は2024年5月29日から6月7日まで実施され、有効回答数は275件。調査の結果は企業の人事戦略に生かされることが期待されます。ビズリーチは、人材の流動性が高まる今、従業員に選ばれる企業としての姿勢が求められています。
今後、人事領域のデジタルトランスフォーメーションも加速していくでしょう。ビズリーチの取り組みを通じて、企業の持続的な成長を促す人材配置や異動の在り方が模索されていくことを期待したいです。