CADDi導入の成功事例:モリタアンドカンパニーの変革
はじめに
製造業においてデジタル変革が求められる中、株式会社モリタアンドカンパニーがAIデータプラットフォームCADDiの導入を果たしました。この導入により、同社は業務の効率化を実現し、原価削減にも成功しています。ここでは、その導入の背景と成果について詳しく探ります。
課題と導入背景
モリタアンドカンパニーは、専用機の設計・製造を行う企業です。見積業務が特定の担当者に偏ることで、担当者が不在の場合には業務がストップするという課題がありました。これに加え、採用活動では「機械加工の経験者」を求めるため、採用の幅が狭まっていました。さらに、見積プロセスは煩雑であり、要件や条件がブラックボックス化しているため、業務を円滑に進めることが困難でした。
こうした背景から、モリタアンドカンパニーはCAPDiの調達業務特化アプリケーション・CADDi Quoteの導入を決意。最初は既存のシステムに慣れた社内の反発に直面しましたが、試行錯誤を経て少しずつ改善が進んでいきました。
CADDi Quoteの導入と効果
しかし、状況が大きく変わったのは、手配業務のメイン担当者が二週間不在となったタイミングでした。このような厳しい状況の中、CADDi Quoteが活用されることで、業務の進捗状況が可視化され、残されたメンバーでのスムーズな引継ぎが実現しました。この経験を経て、社内の意識が劇的に変わり、CADDi Quoteの利用が加速しました。
業務工数削減とコストの低減
CADDi Quoteが導入された結果、モリタアンドカンパニーの生産管理チームには大きな変革がもたらされました。業務の透明化により、誰がどこまで作業を進めているかが明確になり、担当者不在時でも業務が代替可能になりました。この結果、月間1,425分の業務工数削減と、約429万円の原価低減を実現しました。
さらに、業務の属人化が解消されたことで、自然な業務分担ができるようになり、これがさらに業務改善へとつながっています。
採用条件の見直し
CADDiの導入は業務効率化だけでなく、採用条件にも変革をもたらしました。業務が円滑に進められるようになった結果、従来の「機械加工の経験者」という厳しい条件を緩和し、「スムーズにコミュニケーションできる方」を採用条件とするようになりました。これにより、採用競争力が向上し、多様な人材を迎え入れることができるようになりました。
自発的な改善とイノベーション
社員がCADDi Drawerを用い、自ら図面情報を連携させるマクロを開発するなど、自発的なイノベーションも進んでいます。CADDiは業務効率化を超えて、社員が持つ潜在能力を引き出すプラットフォームとしても機能しています。
今後の展望
現在、CADDi Quoteはモリタアンドカンパニーにとって不可欠なツールとなっています。成功の背景には、社員の声を聞きながら改善を行ってきたキャディとの密な連携があると言えます。今後は、CADDiの活用を全社的に広げる方針で、様々なデータを集約し、AIの活用を本格化していく予定です。
結論
モリタアンドカンパニーのCADDi導入成功事例は、デジタル変革の重要性や、業務効率化だけでなく組織全体の成長に寄与することを示しています。今後もこのような変革が他の製造業にも波及し、製造業全体の進化につながることが期待されます。