双日が日本エイアンドエルを子会社化、EV市場への参入を強化する戦略
双日が日本エイアンドエルを子会社化
双日株式会社、住友化学株式会社、三井化学株式会社の三社は、合弁会社である日本エイアンドエル株式会社の株式を売買契約により取得し、双日が66.5%の株式を取得することで子会社化する計画を発表しました。これにより、日本エイアンドエルは双日の連結子会社として新たな一歩を踏み出します。株式取得は2025年7月に行われる予定です。
日本エイアンドエルは、住友化学と三井化学による出資で設立された企業で、SBRラテックスおよびABS樹脂の製造、販売、研究開発を手がけています。特にSBRラテックスは、リチウムイオン電池(LiB)の負極バインダー用として需要が拡大しており、高い技術力を誇るサプライヤーとして国際的に評価されています。紙加工用のSBRラテックスでも、日本国内有数のサプライチェーンを構築しており、安定した顧客基盤を保持しています。
負極バインダー用SBRラテックスは、特に電気自動車(EV)市場で重要な役割を果たすことが期待されています。双日は、リチウムイオン電池の成長する市場において、より強固な事業基盤を築くために、日本エイアンドエルの技術力と自社のリソースを融合させ、企業価値を持続的に向上させることを目指します。
住友化学は、新成長戦略のもとで「Leap Beyond」というスローガンを掲げ、事業ポートフォリオや事業構造の見直しを進めています。今回の株式譲渡により、日本エイアンドエルが持続的に成長するための施策を共に検討し、成長の基盤をさらに強化することを期待しています。
三井化学も、長期経営計画「VISION 2030」に沿った戦略を展開し、化学業界の変革を目指しています。日本エイアンドエルとのシナジーを探ることを重要視しており、双日との連携による新たな価値創出が期待されています。
双日は、中期経営計画「2026」での企業価値を2倍にする成長戦略の一環として、エネルギー・素材ソリューション分野への事業参画を進めています。化学事業においては、国内外約5,000社の顧客ネットワークを有し、広範囲にわたる事業を展開。低炭素・環境に配慮した次世代事業の創出を進めており、日本エイアンドエルの子会社化は、製造事業への参画によって収益力を強化する狙いがあります。
今後、双日のグローバルな顧客や物流ネットワークを活用し、日本エイアンドエルの価値向上に努めるとともに、EV市場や蓄電池市場でのビジネス拡大にも取り組んでいく方針です。これにより、競争力のある素材の開発を持続的に進め、業界内でのリーダーシップを維持していくことを目指します。
会社情報
- 会社名
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双日株式会社
- 住所
- 東京都千代田区内幸町2丁目1-1
- 電話番号
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