東京システムハウス、COBOL課題を乗り越える新たなAIを発表
2025年3月13日、東京システムハウス株式会社は、Google Cloudが主催する「第3回生成AI Innovation Awards」において、優秀賞を受賞したことが発表されました。この受賞の背景には同社が開発した「AIベテランエンジニア」があります。
生成AI Innovation Awardsとは
このコンペティションは、生成AI技術を活用した革新的な取り組みや活用事例を表彰するものです。東京システムハウスは、100を超える応募の中からファイナリストに選出され、見事に優秀賞を獲得しました。
AIベテランエンジニアの必要性
近年、COBOL技術者の引退やシステム仕様を理解する人材の不足が深刻です。このままでは、COBOLシステムがブラックボックス化し、メンテナンスや機能拡張が難航する恐れがあります。特に、障害が発生した場合の対応遅延などは、企業にとって大きなリスクとなります。これに対抗する形で開発されたのが「AIベテランエンジニア」です。
AIによる自動化
「AIベテランエンジニア」は、実際のCOBOLシステムの仕様書作成や新任担当者への質疑応答をAIによって自動化するシステムです。これにより、長年の運用経験を活かした質の高い仕様書が作成できるようになります。さらに、AIはCOBOL特有のノウハウを元にしたRAG(Retrieval-Augmented Generation)技術を用い、高精度な質問応答を実現します。
この技術は、企業の情報システム部門がシステムの維持運営・改修時に利用できるため、迅速な問題解決への貢献が期待されます。
今後の展望
「AIベテランエンジニア」のサービス提供は2025年4月から予定されています。このシステムは、COBOLの問題解決に向けて、ブラックボックス化の解消や維持運用効率の向上、人手不足への対応といった課題に挑むものです。企業はこれを利用することで、ビジネスの変化にも柔軟に対応できるようになるでしょう。
東京システムハウスについて
東京システムハウスは1976年に設立された独立系IT企業で、システム開発から運用保守、マイグレーションまで幅広いサービスを提供しています。AIやIoTを活用し、最新技術を駆使したプロダクト開発にも力を入れ、企業の成長をサポートしています。
代表取締役の林知之氏は、『私たちの目指すのは、顧客のビジネス戦略に寄り添ったシステム提供です。AIベテランエンジニアを通じて、多くの企業がCOBOLの課題を克服できることを期待しています』と述べています。
最後に
今回の受賞は東京システムハウスのさらなる進化を示すものであり、今後の展開にも注目が集まります。新技術を活用した信頼性の高いシステム運用が求められる中、AIによるソリューションがますます重要となることでしょう。