アスタチン創薬の挑戦
2022-11-17 12:30:21

前立腺がん治療に向けたアスタチン創薬の新たな挑戦が始まる

アルファフュージョンと大阪大学、共同で前立腺がん治療に挑戦



アルファフュージョン株式会社は、前立腺がんの治療に向けた新たな挑戦を発表しました。大阪大学と共同で行うこのプロジェクトでは、アスタチンという特異な元素を利用した治療法が注目されています。近年、がん治療における新しいアプローチとして注目されているアルファ線の利用により、治療効果を高めつつ正常組織への影響を最小限に抑えることが期待されています。

この治療法の核となるのは、アスタチンによる新しい医薬品候補である[At-211]PSMA5です。この化合物は前立腺特異的膜抗原(PSMA)をターゲットにし、がん細胞に特異的に集積する特性を持っています。過去の研究では、前立腺がんモデルマウスにおいて、腫瘍部位への高い集積と持続的な退縮効果が確認されており、その有望性が証明されています。

アルファフュージョンの藤岡直社長は、新薬の実用化に向けた試みは、すでに始動中であり、今後の進展が期待されると語っています。特に、今回の治験は日本医療研究開発機構(AMED)の橋渡し研究(シーズF)に採択されたことから、さらなる注目を集めています。これは、特定の企業との強固な連携が必須とされるため、アルファフュージョンと大阪大学の協力が評価されています。

治験責任医師である大阪大学の渡部直史助教は、治療の実現に向けた期待感を持ちながら、2024年度の治験開始を目指して、さらなる努力を続けるとコメントしています。具体的には、PSMAをターゲットにした臨床研究も進行中であり、前立腺がんの患者に対する新たなアプローチが期待されています。

このアプローチは、アスタチン核種の特異な特性を活かし、がん細胞のみを選択的に攻撃することで、高い治療効果と安全性を実現しようとしています。

さらに、アルファフュージョンでは、治験の実施に向けて大阪大学との協力関係を強化し、大手メーカーとのパートナーシップも形成し、大規模なアスタチン製造拠点の設立を進めています。これにより、新薬の開発が迅速に行える体制を整えることが目的です。

今後も、アルファフュージョンはアスタチン創薬を加速させ、国内外の研究機関と連携を拡大しながら、革新的ながん治療の開発に尽力していく考えです。これにより、医療現場における新たな治療選択が提供されることが期待されています。

治験の成功が実現すれば、今後の前立腺がん治療の選択肢を大きく変える可能性があります。患者とその家族にとって、新しい希望の光となることを願っています。

会社情報

会社名
アルファフュージョン株式会社
住所
大阪府大阪市北区梅田2丁目5-13
電話番号

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