新工法で工期を大幅短縮
最近、鹿島が導入した「スマート床版更新(SDR)システム」によって、道路橋の床版取替工事の期間が大幅に短縮されることが実証されました。この新しい施工方法は、広島自動車道における実工事で、その効果を発揮しています。
SDRシステムの特徴
このシステムは、既存の床版の撤去から新設床版の架設までの一連の作業を、専門チームが同時進行で行うことを可能にする設計がされています。これにより、床版取替作業の期間が従来の方法に比べて約70%も短縮されました。具体的には、通常の工法では21日間かかる作業が、SDRシステムではわずか6日間で完了します。
工事の進行状況
広島自動車道の伴高架橋において、122.1メートルの床版取替工事が行われました。この工事は2024年5月から6月の期間において実施され、SDRシステムの導入により、工事の進行がスムーズに行われました。さらには、各日ごとの作業枚数も増加し、ある日には最大20枚の床版を架設した実績があります。
開発背景と今後の展開
この新技術は、高度経済成長期に整備された道路橋の急速な劣化に対応するための取り組みとして生まれました。国家の「高速道路リニューアルプロジェクト」にも通じる取り組みとして、今後も継続的な改良が行われ、より効率的な道路橋の管理が期待されています。2024年9月からは、さらなる工事が予定されており、SDRシステムの効果を引き続き実証していく予定です。
安全性の確保
工事に伴う交通規制が最小限に抑えられる工法であることから、周辺交通や施設への影響も考慮されているため、安全性は大きなポイントとなります。各工程が同時に進められることで、工事期間の短縮はもちろん、周辺環境への配慮も重視されているのです。
まとめ
鹿島の「スマート床版更新(SDR)システム」は、今後の道路橋の床版取替工事において、交通渋滞の軽減や工期短縮の実現に貢献する重要な技術として注目されています。これにより、より安全で快適な交通環境が実現されることが期待されています。