箱根の老舗旅館リニューアルの詳細
神奈川県箱根町に位置する株式会社金乃竹が、創業360年を誇る老舗旅館「松坂屋本店」をリニューアルしました。このリニューアルでは、皇族に縁のある2つの施設、元皇室別邸の「離れ」と大正時代の建物「春風荘」が新たに生まれ変わります。リニューアルは2024年9月の完了を目指しています。
リニューアルの背景
「松坂屋本店」は1662年に創業し、明治期には著名な文人たちが多く利用した歴史ある旅館です。特に、「離れ」と「春風荘」は皇族と深い関わりを持ち、松坂屋本店にとって特別な存在でした。しかし、長い年月の中で建物に歪みや使用感も出てきたため、現代的な快適さと伝統的な魅力を両立させる形でのリニューアルが決定されました。
伝統と現代の調和
リニューアルの際には、客室の基本設計を改め、純和風の美しさはそのままに、快適な最新設備を導入することが目指されました。例えば、传统的な刊間や床の間を残しながらも、ベッドやレインシャワー、珍しいデザインの洗面台を設置しました。この取り組みにより、最新の快適さを持ちつつ、歴史的な要素を大切にした空間となります。
新しい客室の紹介
離れ
「離れ」は、歴史的にも特別な位置付けの客室です。リニューアルによって、名実ともに特別な感覚が感じられるよう工夫されました。露天風呂だけでなく、内風呂も楽しむことができ、薬湯を使用することも可能です。
- - 洗心亭: 1887年に建設され、大正天皇が休憩された部屋。広々とした空間が特徴で、自然に囲まれた美しい庭と箱根の山々を眺めることができます。
- - 仰光荘: 1923年に閑院宮御一家が使用していた部屋で、縁側からは豊かな緑が広がり、開放感に満ちています。
春風荘
「春風荘」は三菱財閥の岩崎家から移築されたもので、幕末や明治の歴史を感じさせる空間です。今回のリニューアルでは6室から5室に減らし、新たにメゾネットタイプの客室が登場しました。
- - 若松・常磐・梢・雲井・曙: それぞれ異なる魅力を持つ5つの客室が、新たに訪れるお客様を迎え入れます。
今後の展望
松坂屋本店の女将、牧野氏は、「お客様にとっての旅の目的地となるよう、今回のリニューアルを行いました」と話します。新しい客室だけでなく、松坂屋本店の多様な温泉や和食、また「リョカンス」という体験型サービスを通じて、日本の伝統文化を実際に学びながら楽しむことができます。このように、時間と文化を求める多くの旅行者に、感動を新たに提供する場所として進化を続けていく考えです。
旅館についての詳細
創業以来、松坂屋本店は箱根・芦之湯温泉において独自のスタイルを持つ旅館として、多くのお客様に愛されてきました。2024年9月には、美肌泉質の証を取得し、さらに魅力的な施設として生まれ変わります。
会社概要
株式会社金乃竹は1947年に創業し、現在は5つの旅館と3つの飲食店を展開しています。今後もお客様の期待に応えるため、絶え間ない改善と進化を目指していきます。