自動でアナリストレポートを生成する新サービス「Analystant」
株式会社aiQが新たに発表した「Analystant」は、自動的にアナリストレポートを生成するSaaSサービスです。投資家にとって非常に便利なツールとなるこのサービスは、生成AI技術を駆使し、最新のニュースやデータから得た情報を基に分析を行います。これにより、ユーザーは米国を中心に10,000以上の株式銘柄に対するレポートを、365日、24時間体制で閲覧可能です。
Analystantの特徴と活用方法
このサービスは、特定の銘柄と日時をユーザーが指定することで、関連する膨大なニュースやデータを瞬時に収集します。その中から特に重要な情報を自動的に選び出し、株価上昇要因と下落要因に整理した上で、翌週の株価リターンを予測します。予測の根拠が明確であるため、従来の機械学習とは異なり、納得できる情報として利用できる点が特徴です。
さらに、プロフェッショナルなファンドマネージャーやアナリスト、個人投資家など、幅広い層に利用してもらえる設計となっています。
高精度な生成AIの実現
Analystantは、ChatGPTやGemini、Llamaといった大規模言語モデルを基に構築されており、具体的には次のような特性を持っています。
- - 信頼性の高い株価ニュースや金融データのみを使用して予測を行う
- - 過去の株価とニュースの関係をファインチューニング学習することで、株価に影響を及ぼす重要なニュースを抽出する
- - 一部のモデルは、既存のアナリストレポートの文体や観点を学習する継続事前学習を行っている
これにより、投資家は最新技術を活用した投資に特化した情報を、容易に手に入れることができます。
バックテストによる精度の確認
実際にS&P500銘柄を対象としたシンプルなバックテストを行い、ファインチューニングの効果を検証しました。ファインチューニング後のモデルは好パフォーマンスを示し、将来1週間の株価リターンを高精度で予測することができました。これに対し、ファインチューニング前のモデルでは横ばいや減少が見られ、技術的な進歩の重要性が際立ちました。
スマートプラスとの連携
株式会社スマートプラスは、このAnalystantの初福音先として、運営する一任運用サービスにこのツールを活用する予定です。AIを用いて毎日自動で生成される分析レポートにより、効率良くニュースやESGデータの収集が可能となり、運用業務のサポートが期待されています。
今後の展開と拡張性
今後は日本語ニュースやオルタナティブデータ、ESGデータなどのさらなるデータ拡充を予定しています。加えて、ユーザー自身が独自にニュースソースやデータを入力できる機能も考慮しており、個々の投資観点をレポートに反映させられる柔軟性も提供されます。
株式会社aiQの背景
株式会社aiQは、創業者である山本裕樹氏が東大松尾豊研究室と野村証券出身の経歴を持つ企業です。2018年に設立以来、金融分野におけるAI技術の活用に注力し、国内外の機関投資家へオルタナティブデータを提供してきました。2022年には金融庁から投資助言・代理業の登録を行い、より多様なサービスの提供へと進化しています。
企業情報
- - 社名: 株式会社aiQ
- - 設立: 2018年6月
- - 本社所在地: 東京都千代田区東神田一丁目10番6号
- - 事業内容: オルタナティブデータの販売、ツール開発、投資助言
- - HP: aiQ公式サイト
Analystantは、投資家にとっての新たなサポート役となるでしょう。AIの力を活用し、効率的かつ効果的な投資活動を実現する新たなツールと言えるでしょう。