2024年度DX認定企業調査報告書が公開
一般財団法人高度人材育成機構は、2024年版のDX認定企業調査報告書を発表しました。この調査は、DX認定を受けた企業の人材育成に関する現状と課題を把握するために実施されたもので、多くの企業のDX推進担当者や人事担当者からのヒアリングが行われました。調査の結果、企業が抱える共通の課題と、それを解決するための対策が明らかになりました。
調査の背景と目的
2020年から始まったDX認定制度は、これまでに1000社以上の事業者が認定を取得しており、企業のDX推進における重要な施策となっています。2023年10月の認定基準改定では、組織の構築、人材の育成、企業文化の方策に「人材の育成・確保」が加えられ、企業は継続的な進化が求められています。このような背景を受け、DX認定を取得した企業の現状を把握するためのヒアリング調査を実施しました。
調査の概要
調査は、2024年9月2日から10月22日の期間に行われ、25社を対象に電話やオンラインを通じてヒアリングが実施されました。調査では、各企業がDX人材育成のために取り組んでいる内容について、以下の視点から情報収集が行われました。
- - DX人材育成の推進体制と計画
- - DX人材の役割に対する期待
- - 実施した具体的な成果
- - 研修やプログラムの実施状況と外部リソースの活用
- - 育成した社員のキャリアパス
- - 人材育成の課題とその解決策
明らかになった5つの課題
調査の結果、DX人材育成において多くの企業が共通して抱える5つの課題が明らかになりました。これらの課題は、以下の通りです。
1. 経営トップがDX推進の重要性を率先して発信し、全社的な意識改革を促さなければならない。
2. 具体的な目標を設定し、段階的な育成計画を策定する必要がある。
3. 実践的な研修プログラムや評価制度の導入が求められる。
4. 成功事例や課題を共有し、新しい技術や変化を歓迎する社内文化が必要です。
5. 外部リソースを積極的に活用する必要性がある。
6つの対策提言
これまでの調査結果をもとに、DX人材育成を実現するための6つの具体的な対策提言が示されました。
1. 経営トップのコミットメントを明確化し、全社的なDX推進体制を整備する。
2. DX人材の定義と必要なスキルの具体化。
3. 段階的な育成計画および評価制度を策定する。
4. 実践的な研修プログラムを導入する。
5. 社内外の成功事例や課題を共有し、継続的な改善を推進する。
6. 外部リソースを積極的に活用していく。
まとめ
この調査報告書は、DX人材育成の現状と課題を整理し、企業が今後どのように人材を育成していくべきかの指針を示しています。デジタル社会の進展に伴い、企業はますますDX人材の育成に取り組む必要があり、持続可能な成長のためにはその施策を自社に取り入れることが求められています。報告書は一般財団法人高度人材育成機構のウェブサイトからダウンロード可能です。