Eコマースの成長が物流不動産市場に与える影響
物流不動産の分野でのリーディングカンパニーであるプロロジス(NYSE:PLD)は、最新のマーケットレポート「Eコマースブームは続く:物流不動産への影響」を発表しました。これにより、近年のEコマース市場の成長が物流不動産市場にどう影響を与えているのかが明らかになりました。このレポートは、消費者行動の変化や市場の進展を多角的に分析しており、その結果は非常に興味深いものとなっています。
レポートによれば、2024年において米国の小売売上におけるEコマースのシェアは56%を占める見込みで、これは前年比で8.0%の増加を示しています。一方、実店舗の販売は1.8%の増加にとどまっており、Eコマースがいかに市場をけん引しているかがわかります。
さらに、米国における物流スペースの稼働面積は過去5年間で12%増加しており、これは小売事業者の店舗スペースが2.4%縮小している状況と対比されます。小売業者はこれに応じて、店舗戦略および不動産戦略の見直しを迫られていることがわかります。特に、2024年における物流不動産の新規需要の19%以上がEコマース企業からのものであり、これは2023年および2017~2019年の平均を上回っています。
Eコマースは実店舗の約3倍の物流スペースを必要とすることが続いており、2030年までにはさらなる3.5億平方フィート(約3,252万平方メートル)の追加需要が見込まれています。さらに、越境Eコマースも急成長しており、アメリカにおける越境EC企業の売上が440億ドル(約6兆6440億円)に達したことが、物流施設への新たな需要を生んでいます。
今回のレポートは、Eコマースの成長が一過性の現象ではなく、物流不動産市場における構造的な需要の変化を引き起こしていることを示しています。また、プロロジスは今後も変わりゆく消費者行動や流通構造に柔軟に対応し、持続可能な物流インフラを提供することで、企業の競争力を高め、地域経済の発展に寄与していく考えです。
リサーチの全文は以下のリンクから確認できます。
このレポートは、プロロジスの2025年3月発表のリサーチに基づいて作成されています。