弁護士のメディア接触実態調査
デジタル化が進展する現代、弁護士がどのように情報を得ているのかを探る調査が実施されました。調査は弁護士ドットコムが行い、254名の登録弁護士が対象となりました。この結果から見えることは、弁護士たちのメディア接触に対する傾向や不満が明らかになりました。
調査の概要
本調査は、2024年8月4日から8月8日の間に実施されました。弁護士ドットコムに登録された弁護士を対象にしたウェブアンケートの結果、回答を得たのは254名です。調査機関は「プロフェッショナルテック総研」です。
新聞購読の実態
調査の結果、個人による新聞購読率は39.0%、法人や団体では17.7%となっています。具体的には、個人で購読しているのが33.9%、勤務先や事務所で購読しているのが12.6%、両方で購読している弁護士は5.1%でした。
このことから、弁護士の多くが何らかの形で新聞に接していることが分かりますが、依然として新聞媒体よりもデジタル情報源に対する依存が高まっていることを示しています。
インターネットニュースの人気
インターネットニュースに関して、最も利用されているのは「Yahoo!ニュース」で、78.7%の弁護士がこのサイトを利用しています。次に「新聞社やテレビ局のウェブサイト」が44.5%、そして「SNS」が31.5%と続きます。情報収集の手段として、デジタルメディアが重要な役割を果たしていることが示されています。
ニュースジャンルの関心
弁護士が特に興味を持つニュースジャンルは、83.1%が「社会」に関連するものであり、続いて政治が68.5%、経済が65.0%という結果が得られました。社会に対する洞察や意見が重要視されているとはいえ、弁護士自身の活動や価値観に紐づくテーマが選ばれていることが印象的です。
メディアへの不満
一方で、テレビや新聞の報道に対する満足度は低く、56.3%の弁護士が「不満」または「やや不満」と回答しています。具体的には、実名報道の不適切性や、逮捕段階の報道が被疑者の名誉を毀損するといった意見が多く寄せられており、弁護士ならではの視点が反映されています。対して「満足」または「やや満足」とする回答はわずか13.0%にとどまりました。
信頼できる報道の条件
調査では「報道の信頼度」についても言及されており、自由回答では多くの情報源を確認することや、情報の裏付けが重要であるとの意見が見られました。特に、報道の発信者の実名の提示や情報の裏取りの有無についての確認が重視されています。これは、権力や資本からの影響を排除するためにも重要な要素です。
まとめ
この調査は、弁護士たちがメディアに対してどのような接触を行い、その情報にどの程度満足しているのかを探る重要なデータとなりました。デジタルメディアにシフトする中で、法律家としての視点を持ちながら、より信頼できる情報源を求める姿勢がここに表れています。今後、メディアはこのような専門職のニーズに応えるための変革が求められるでしょう。