金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」が報告書を公表 プロダクトガバナンスの確立に向けた提言

金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」(座長:神田秀樹 東京大学名誉教授)が、このたび、報告書をとりまとめ、公表しました。

今回の報告書は、「プロダクトガバナンスの確立等に向けて」と題され、金融商品やサービスの開発・提供プロセスにおけるガバナンス強化の必要性について議論しています。

報告書では、近年、金融商品やサービスの複雑化が進み、顧客のニーズやリスク理解が困難になっている現状を指摘。その上で、金融機関が顧客中心主義に基づいた商品開発・提供プロセスを構築し、顧客保護を強化していく必要性を訴えています。

具体的には、以下の点が提言されています。

1. プロダクトガバナンス体制の強化
金融機関は、顧客保護を最優先に考えたガバナンス体制を構築し、商品開発から販売、アフターサービスに至るまで、すべてのプロセスにおいて顧客の利益を考慮した意思決定を行う必要があります。

2. 商品開発プロセスにおける顧客中心主義の徹底
商品開発においては、顧客のニーズやリスク許容度を十分に理解し、顧客にとって本当に必要な商品・サービスを開発する必要があります。また、商品開発プロセスにおいて顧客からの意見を積極的に収集し、反映していくことが重要です。

3. 顧客に対する情報提供の充実
金融機関は、顧客が金融商品・サービスの内容を正しく理解できるよう、わかりやすく詳細な情報提供を行う必要があります。また、顧客が商品・サービスの利用にあたり、必要な情報を適切なタイミングで入手できるよう、情報提供体制を整備する必要があります。

4. 販売プロセスにおける顧客保護の強化
金融機関は、顧客のニーズやリスク許容度を適切に把握し、顧客にとって適切な商品・サービスを販売する必要があります。また、顧客が自分の意思に基づいて商品・サービスを選択できるよう、販売プロセスにおける顧客保護を強化する必要があります。

5. アフターサービスの充実
金融機関は、顧客が商品・サービスを利用した後も、継続的にサポートを提供する必要があります。また、顧客からの問い合わせや苦情に迅速かつ丁寧に対応する体制を整備する必要があります。

今回の報告書は、金融機関が顧客保護を強化し、金融市場の健全な発展に貢献していくために、プロダクトガバナンスを強化する必要性を強く訴えています。金融機関は、報告書の内容を真摯に受け止め、顧客中心主義に基づいた商品開発・提供プロセスを構築していくことが求められます。

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