シミックが新ツール「UltraIntake」を導入
シミック株式会社は、医薬品安全性情報管理(ファーマコヴィジランス)をより効率的に行うために新たな自動化ツール「UltraIntake」を導入すると発表しました。製薬企業向けのサービス提供は2025年3月から開始される予定です。この導入により、企業は報告業務の効率化やコスト削減を図ることが期待されています。
UltraIntakeの開発と役割
この「UltraIntake」は、インドのITシステムコンサルティング会社Ultragenic社によって開発され、日本の医薬品開発の規制に準拠したシステムとしてシミックとUltragenicが共同で設計しました。この取り組みは、国内のCRO(医薬品開発支援機関)として初めての試みと言えます。
ファーマコヴィジランスは、多様な情報源から報告される情報を扱うため、これまで多くの手作業が必要でした。報告形式もPDFやExcel、テキストなど多岐に渡るため、業務の負担は年々増加しています。こういった課題に対して、UltraIntakeは業務の一部を自動化し、効率的に進めることを目指しています。
UltraIntakeの特徴
「UltraIntake」にはいくつかの特長があります。まず、情報の収集はいろいろなフォーマットに対応しており、コールセンターやソーシャルメディアなど、異なるシステムから情報を自動で取り込むことが可能です。そのため、企業ごとに異なる情報ソースをスムーズに活用できます。
また、様々なフォーマットからの情報を自動でデータベースに取り込むことで、手作業による負担を大幅に削減します。さらに、「CIOMSフォーム」という国際標準の書式を用いて、海外の有害事象情報の取り込みや、医師からのウェブ入力受付ができるようになります。これにより、当局への報告用のファイルも迅速に作成できるようになります。
特に再生医療等製品の治験に関しては、日本特有の規制にも対応し、報告の自動化を推進しています。これにより、企業はより多くの時間を治験の質や進捗に充てることができるでしょう。
シミックの強み
シミックは「Oracle Argus Safety」との連携を持ち、さまざまなデータ管理を一元的に支援しています。これにより、自社でデータベースを持たない製薬企業でも、安心して管理や報告のサポートを受けられます。さらに、国内外のバイオベンチャーなどリソースが限られている企業に対しても、柔軟なサービスを提供しています。
シミックは1992年に日本でCRO事業を開始した企業であり、医薬品の研究から製造、営業・マーケティングまでの全般にわたる支援を提供しています。その豊富な経験を基に、製薬企業のバリューチェーンを強化し、個々人の健康価値を最大化する事業モデルを展開しています。
今回のUltraIntakeの導入により、シミックは今後も業界におけるリーダーシップをさらに強化し、製薬企業が直面する課題に対して総合的な解決策を提供していくことでしょう。詳細については、シミックの公式ウェブサイトを通じて確認できます。
シミックグループのウェブサイト