関西電力、BIPROGY、川崎重工業が水素混焼発電の実証開始
関西電力株式会社、BIPROGY株式会社、川崎重工業株式会社の3社は、2023年8月22日から、姫路第二発電所において、水素混焼発電に関わる環境価値管理に関する実証を開始しました。このプロジェクトは、水素を製造してから電力供給までの過程におけるCO2排出量の算定や水素のトラッキング(追跡・記録)を行うことを目的としています。
実証の内容
姫路第二発電所エリアで製造された低炭素水素に加え、福井県で生産された原子力由来の低炭素水素、山梨県で作られた再生可能エネルギー由来のグリーン水素を用いて、30分単位でこれらのCO2排出量を算定し、水素を追跡します。これにより、水素混焼発電によって生成された電力がどの水素由来であるかを識別できるかの検証を行います。
さらに、トラッキング方法は、国際的な第三者認証機関であるDNVの支援を受けて、国際基準に適合した方法で実施される予定です。これによって、電力供給の際に水素の製造エネルギー源や製造の時間、場所といった情報を明確にし、顧客に提供することを目指しています。
環境価値管理の重要性
この実証を通じて、三社は水素発電に関する環境価値管理のモデルを構築し、低炭素水素の価値向上や利用拡大に向けた取り組みを推進していきます。将来的には、これを事業化の基盤として、水素サプライチェーンを確立し、ゼロカーボン社会の実現に寄与することを目指しています。
本プロジェクトは、経済産業省やNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)からも支援を受けており、日本のエネルギー政策にも大きな影響を与えることが期待されています。具体的な成果が確認されれば、低炭素水素の生産や利用がさらに進むことでしょう。
今後の展望
水素混焼発電の環境価値管理の実証は、今後のエネルギー分野における重要なステップとなるでしょう。低炭素水素の利用促進は、環境保護や持続可能な社会の実現に貢献するだけでなく、日本国内外におけるエネルギーの自立性向上にも大いに寄与することでしょう。これからの展開に注目です。