カラクリとUpstageが共同開発した次世代LLM「Syn Pro」が登場
カラクリ株式会社(東京都中央区)とグローバルAI企業Upstageが手を組み、新たな日本語大規模言語モデル(LLM)「Syn Pro」を発表しました。本モデルは、Weights & Biases Japanが運営するNejumi Leaderboard 4において、32Bパラメータ以下のモデル中で日本語性能第1位を獲得し、さらに世界でもトップ20に名を連ねるという快挙を達成しました。開発コストも従来の約50%削減され、効率的な開発が実現されました。
ローカライズの變遷:海外AI企業の日本市場適応
Bonafide Research社の調査によると、日本のLLM市場は2025年までに10.8億ドル規模に成長する見込みです。この市場で成功するには、海外AI企業による真のローカライズがカギとなります。カラクリの日本語処理技術とUpstageのグローバルな開発能力が結集し、この「Syn Pro」は大きな成功を収めました。
圧倒的な性能と効率で実現した「Syn Pro」
カラクリが持つ日本のビジネスロジックや言語の特性、効率的なモデル構築技術を駆使し、以下の成果を達成しています。
1. 日本語性能での成功
「Syn Pro」は日本語モデルの中でトップクラスの実績を誇り、金融、医療、法務など、精度が求められる分野でのニーズに応えています。これは、大規模なGPT OSS-120Bモデルを上回る文化的文脈の理解力によるものです。
2. 開発コストと期間の短縮
この共同開発プロジェクトの結果、ローカライズコストを約50%削減し、開発期間をわずか2か月で済ませました。これはNVIDIAのGPUに対してAWS Trainiumの利用が効率化し、開発のボトルネックを解消したからです。また、MoE(Mixture of Experts)モデルの学習に成功したことも見逃せません。
3. 安全なAI導入をサポートする機能
「Syn Pro」は、オンプレミスやプライベートクラウド環境での柔軟な展開が可能で、データの流出を防ぎ、完全なデータ環境を提供します。この特性は、法務や医療など、コンプライアンスが求められる業種に最適です。
「Syn Pro」の特長
「Syn Pro」が注目される理由はその精度と技術力にあります。具体的には、次のような特長があります:
- - 日本語に特化した文化的理解力。
- - 軽量でありながら高性能を誇る構造。
- -Dynamicなタスク最適化を行う「Reasoning Budget」機能。
これにより、Syn Proは多様な業務ニーズに対応できるよう設計されています。そして今後も、Synシリーズは日本市場に特化した新たな価値を提供し続けるでしょう。
最後に
カラクリとUpstageの取り組みは、生成AIを日本市場において適応させる大きな一歩と言えます。Syn Proは、企業や公共機関が安全かつ信頼性の高いAIを導入するための強力な支援となるでしょう。今後の人工知能技術の進化に、ぜひ注目していきたいものです。