次世代ワイヤレス電力伝送技術の実用化に向けた第一歩
電気興業株式会社が新たな試みに踏み出しました。同社は、24GHz帯を使用したワイヤレス電力伝送(WPT)技術に関する実験局免許を取得し、次世代のインフラ技術の実用化に向けた一歩を踏み出したのです。この技術は、電池やケーブルを使うことなく、多くの機器に効率的に電力を供給することができる次世代技術として注目を集めています。
ワイヤレス電力伝送システムの概要
WPTは、様々な機器への電力供給を実現するための革新的な技術です。このシステムは、特にモバイル機器やIoTデバイスの普及に伴い、ますます重要な役割を果たすと考えられています。
また、総務省も2022年に電波法施行規則を改正し、WPT技術の普及を促進しています。これにより、920MHz、2.4GHz、5.7GHzの周波数帯域がWPTに割り当てられることになり、業界は新しい可能性を切り開いています。
24GHz帯の研究開発
電気興業は、5.7GHz帯と24GHz帯の両方に焦点を当て、特に24GHz帯については「5G準ミリ波との共用化技術」に関する研究を展開してきました。最近、同社は国内初となる「1024素子・2偏波対応の24GHz帯WPT装置」の実験局免許を2025年までに取得することに成功しました。
この進展は、24GHz帯の技術が近距離での数ワット級の電力供給に適しており、高出力が可能であることを示しています。しかし、その反面、伝搬損失が大きな課題となっています。そのため、周囲の無線システムへの干渉を抑制する技術の高度化が求められています。
実証試験の内容
今回の実験局免許取得に伴い、電気興業は実証試験を実施する予定です。この試験では、4つの主要な評価項目があります。まずは給電能力の測定、次に人体への電波暴露評価、さらには周辺への干渉電力の評価が行われます。そして、最も重要な研究目標である5Gとの共用化技術についての評価も行われます。
このように、電気興業はWPT技術の実用化に向けて着実に進捗を遂げており、より良いIoT社会のための新しいインフラ技術を目指しています。
最後に
電気興業の取り組みは、単に最新技術を提供するだけではありません。それは、未来の社会を支えるための重要な一歩でもあります。この次世代ワイヤレス電力伝送技術の実用化に向けての進展が、今後どのように私たちの生活を変えるのか、非常に楽しみです。
詳しい情報やお問い合わせは、電気興業株式会社の公式ウェブサイトまたは経営企画部へご連絡ください。